Guiltyroad【罪の道】 (ページ12)

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私達がついて行ったあの男は、講義の教室がある棟とは、正反対の西棟に向かって行ってた。

教室があるのは、東棟。
誰が見ても彼は、迷子だった。

う～ん、割と頭いいように見えたんだけど…アホなのかな？

彼は、隣のピエロに向かって何か話している。
何だろ…？

私がこれからどうするか悩んでいると、スノウリリィが話しかけてきた。

《ご主人、接触するなら今です。さぁ、早く》

「分かった…」

スノウリリィの言いなりになるのは嫌だったけど、それは、私も考えてたこと。

私は、いかにも普通の女子大学生と言うように、ソイツに近寄る。

当然、ピエロのことは無視だ。

「どうしたの？」

話しかけると、ソイツは黙ってしまった。
マズったかな…？

「あの…」

「あ…えと、道に迷ってしまって。」

やっぱり…。

《ご主人…貴方、女性と話したことないんですか！何です、そのキョドり様！！》

ピエロが、ソイツをからかうように言う。

「っるせ、ベル…。」

「ベル…？」

へえ～ピエロ、『ベル』って言うんだ。

「あ、いえ、すみません。1人言です。」

いやいや、君、1人言って…。
普通に見えてるんだけどな～ｸｽｸｽ

「フフ…面白い方ですね。気分を害してしまってすみません。
道に迷ったんですよね？案内します。
どの学科ですか？」

「IT･コンピュータ系のです…。学年は、大学2年生です。」

「2年生だったんですか！私もなんですよ！」

へぇ～、同じ歳だったんだ。

「名前、何て言うんですか？」

情報は、あるだけ欲しいよね。

「あ、私は、上杉悠(うえすぎはるか)って、言います。学科も一緒ですよ！」

「え…あ、そうなんですか。
俺…は、桐島翔って言います。」

「あっ！何か、有名ですよね。騒いでました。」

あれ、今日からだったけど

「あ、あのさ…。」

「はい？」

「友達になってくれないかな？」

え？

「い、いきなりですね！？」

「こーやって、話せるのって初めてで、安心するんだ。」

そんなの、初めて言われたかも…。
柄にも無く、私は嬉しかった。

「…わ、私でよければ。」

「っ！…ありがとう。」

2人で向き合い、ニコッと笑った。

もう、講義の教室に着いたようで、席に座る。

「あ、ごめん。ちょっと電話来たから少し外れるね。」

ーーー

「スノウリリィ、桐島のことを調べて」

人気の無い廊下で、私は誰もいない所に言う。

すると、スノウリリィが現れ私に言った。

「ご主人様の言う通りに。」