#107 犯人 ページ33
ピアノの音がすると言う事は、もちろん引いている奴はスタジアムに居ると言う事。
私達は、ダッタカダッタカと走り、スタジアムへの扉を開けた。
そこに居たのは――――――――
――――音也だった。
「「マジで!?」」
目を見開き、音也を凝視する。
繊細で煌びやかで、聞く人全てを魅了する程の、音。音也が奏でるソレで、心を鷲掴みにされた。
圧倒され、私達は足が地面にくっついてしまった。
当の本人は、私達に気づいていないのか、口元を綻ばせ楽しそうにピアノを弾く。
一曲弾き終えたところで、音也はやっと私達に気づいたのだった。
「あ、どうしたの君達?そんな所につったって。」
その声で我に返った私達は、急いで音也の方へ走っていった。
「いやいや、音也やばくね!?」
「すごいね!音也くん!!」
「お前すげぇなっ!!!!!」
「これは、驚きだねぇ〜」
「お前、ちゃんと弾けたのな。」
「………凄い」
「ま、僕だからね。」
誇らしげに笑う音也。
そこには、何時ものくそマイペースな姿は無く、一人のピアニストが居た。
「…で、君達どうしたの?」
音也の声に我に返る私達。
あぁ、と呟いて今までの事を説明した。
すると、納得したように、またか。と呟いた。
「…またか…って?」
「これね、僕小学校の時も似たようなの起きたみたい。まぁ、知らないし、覚えてないけど、お母さんが言ってた。」
「まじか」
「うん」
「一人で制御出来ないの?」
「無意識って感じ」
そりゃタチが悪い。何とか自分で制御出来る様にしとかないとな。
私達は苦笑いした後、先生にも見つかっちゃうからと、そそくさと帰る事にした。
帰り道の際、私は音也に聞いた。
「そいや音也、音也は異能発動させて無いのに、何であんな事が起きたの?」
「ん〜?…多分、僕の異能力ってピアノを使うから、ピアノを媒介にして、遠隔操作みたいな感じ?になっちゃったんじゃ無いかなぁ?」
「うわっ辛」
「そうかな」
「彩ちゃん達、今まで何処に居たの?」
「ヒュッ」
歩いて帰って、寮についた頃、そこにはゆっきーが立っていて、私達の顔が青くなったのは言うまでもない。
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紅月彩(プロフ) - 水無月鈴風さん» ありがとうございます!!更新がんばります! (2018年5月21日 16時) (レス) id: 12d23b88e4 (このIDを非表示/違反報告)
水無月鈴風 - めっちゃ面白いです!これからも、更新頑張ってください! (2018年5月21日 12時) (レス) id: f30372dcff (このIDを非表示/違反報告)
紅月彩(プロフ) - 鵲 昴さん» 説明無しの俺氏←←大丈夫だよー (2018年5月11日 6時) (レス) id: 36ed1e2b30 (このIDを非表示/違反報告)
鵲 昴(プロフ) - 紅月彩さん» そーなんだ!ごめんね (2018年5月11日 6時) (レス) id: d8d70887c8 (このIDを非表示/違反報告)
紅月彩(プロフ) - 鵲 昴さん» あぁ、アレ、アレで合ってるよ。一宮咲夜で、咲くだから、桜で桜ノ宮なの。偽名、偽名 (2018年5月11日 5時) (レス) id: 36ed1e2b30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅月彩 | 作成日時:2018年4月8日 14時