国立三つ葉異能力学園！！3 (ページ37)

今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:4,309 hit

#111 学級委員決めページ37

ゆっきー……ほんと、ゆっきーだね。

呆れ過ぎて、最早何も口から出ない私、紅月彩。
ただいまゆっきーによって、学級委員を決めている。

「いやぁ～あはは……ごめんね。」

「『ごめんね』って、先生！！て言うかこの前、学級委員みたいな人が、会議があるって、放送流れてましたよ！？」

「大丈夫！僕が行ってきたから！！」

「「「そういう問題じゃない！！」」」

うわぁ……

クラスの皆から責められるゆっきー。私と巧は、呆れ笑いを浮かべながら、静観している。あぁ、巧は少し違うな。
口元をニヤつかせながら、カメラを構え、動画を撮っていた。自由だな、おまえ。

ガヤガヤと騒がしいクラスを、どうしたものかと見つめる。
それに気づいたのかそうでないのかは分からないが、ゆっきーは生徒から逃げ、無理やり話しを再開させた。

「～っ！もう、話し戻すよ！！

………それで、誰が学級委員やりたい？」

「はい！」
「はーい！」
「俺俺！！」
「私！」
「はいはいはーい！！」

教室から、沢山の声があがり、手が上がる。

かく言う私も、普通であればこんなめんどくさい事は引き受けないのだが、その右手を一直線に上げていた。

なぜならここは、国立三葉異能力学園。そんな学校で、学級委員を務めたなど、就職活動の履歴書に書いてもいいくらい、誇れる事だろう。しかも、そのクラスがA組であれば、尚更。

言った当の本人は、多くの人が上げたせいで、目を白黒させている。どうにかしてくれ。

そんな中、バンッと大きな音が教室中に響いた。皆、何事かと音のした方を向く。

「君達、いちいちうるさいね。
馬鹿の集まりの様な奴らの1人がクラスの長(おさ)を務めるなんて、僕は真っ平ゴメンだ。
ふん…ここは、投票制で行こうじゃないか。なぁ、愛月咲(あずさ)。」

愛月咲と呼ばれた、金髪の女の子……あぁ、この子は帝ちゃんじゃないか。食事当番の。帝ちゃんは答える。

「そうですね、朱雀(すざく)さん。皆さんもそれで良いでしょうか？それと、朱雀さんの無礼、お詫び申し上げます。」

外国人の見た目とは思えない程、流暢な日本語で彼女は言う。
朱雀と呼ばれた男……確か園川と言ったか。そいつは、「ふん」と鼻を鳴らしていた。

愛月咲の問いに対して、私達に反論は無く、満場一致で、決め方は投票制になった。

ならば、もう答えは決まったものである。