国立三つ葉異能力学園！！ (ページ46)

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#43 残り時間ページ46

「はぁ、つまらない。ねぇ、彩達。もう戦っていいかな？」

――標的が、変わった――

スバルが、鏡を触りながらこちらに向かって微笑んでいる。周りに散乱している血の上を優雅に歩きながら。

私は、スバルの動きを見ながら、3人に言う。
「とりあえず皆、アイツの視界に入らないように。もしくは…」

「あの、鏡に触れさせないように。だろ？」

「正解だよ、圭。」

「お、おい。俺達の異能力じゃぁ、目くらましは向いてないんじゃ？」

「そこはだよ、大牙～残り時間2分なんだから、逃げ切るしかないでしょ～。」

「巧…。」

「巧の言う通りだね、2分あれば、何とか出来るでしょ！」

「…つか、やるしかない、だろ。」

私達は、スバルと戦える程の力は持っていない。むしろ、不利だ。

だからこそ、残り時間、どれだけ逃げ切れるかが、鍵になる。

…咲夜達は大丈夫だろうか？

ー

「これくらいですか？お2人とも？」

「…っぅ！！」

「咲夜！」

脇腹を抑え、地面にうずくまる咲夜。
ただでさえ怪我を多くしている咲夜。凛との戦いのせいで、最初の方に受けた腹の傷が開いてきたのだ。
それだけでは無く、寒さによって息がしずらい。
動きも鈍くなる。凛は、ソレに漬け込み、咲夜に的を絞ったのだ。

一輝は咲夜に駆け寄る。

「大丈夫か！？」

「だ、大丈夫…。あと、2分…だから。それ…くらい、なら…。」

咲夜は、もう一度火炎放射器を出現させた。
それを持って、顔を歪めながら立ち上がった。

「に、2分…。攻撃を食らわないように、逃げ切れる。」

「あら、その執念深さは凄いですね。賞賛に値します。」

一輝は、咲夜を見た後、言った。
「…っ！咲夜…、防御碧を創れ。」

「一輝！？一人じゃ…」

「その怪我じゃ、無理だ。強がりなのは知っている。…逃げ切るくらいなら、俺一人で足りる。十分だ。」

「…っ！！」

「早く！！」

その一輝の声は、誰にも有無を言わせない程の迫力があった。
咲夜は、その一輝の迫力に押され、

「想像…。」

防御碧を作った。
その顔には、悲しさと自分が何もできなかったと言う悔しさが浮かんでいた。

「まるで英雄ですね。フフ…私はそういうの、好きですよ。」

「人体発火、発動。」

ー

スバルから逃げる私達。
私達は、咲夜の様に壁を創り出すことはできないから、圭の白龍を使って目くらましにしていた。
私は、白龍の影から悲願を使って攻撃を仕掛ける。

私は、腕時計を確認した。

時刻は9:29

「あと、1分。」