冬空の星3★ 【イナズマイレブン】 (ページ30)

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Episode.63【★★】ページ30

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「後半は、鬼道と緑川には下がってもらう」

「なぜですか！」

「俺たちはまだやれます！」

「緑川は、日頃の練習の疲労が足に来ているみたいだ。鬼道はさっきの衝突で膝を痛めているみたいだな」

「くっ…」

2人とも、悔しそうな声を漏らす。
監督も、選手のことはよく見いるんだなぁ。
いつもよく分からないけど、正しいことを言っている。

「代わりに不動、お前が出ろ」

「やっと出番かぁ～？待ちくたびれたぜ」

「しかし不動は…！まだチームに馴染めていません！」

鬼道くんが異議を唱える。
わたしもうまくいかないと思う。

「不動は、ジョーカーだ」

不動くんは…ジョーカー…？

「相手は1度も試合に出ていない不動のことは知らないはず…」

「なるほど、それも一理あるな」

そうか… ん？じゃああと1人は？

「…ではあと1人は？」

「このまま、10人で行く」

「…え？」

みんなも呆気にとられてなにも言えない。
監督の采配はいつも素晴らしいものだったけど、今回ばかりは理解に苦しむ。
みんなが納得いかず混乱したまま、後半開始の時間が近づいてしまった。

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「ヒロトくん…」

「うん？どうしたんだい？」

「…後半も、頑張ってね」

「あぁ。Aちゃんも、応援しててね」

「…うん！」

ヒロトくんは微笑んでフィールドに出ていった。
もっと気の利いた言葉を言ってあげたかったけど、なにも思い付かなかった。
でも、少し嬉しそうに見えた。

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吹雪くんの足はずいぶんよくないみたいで…
辛そうな顔をしているけど、医務室に行くとは言いださない。

「吹雪くん…足、そのままじゃよくないんじゃないかな。医務室…行こう？」

「ううん…ここにいさせて」

「えっ？」

「見届けたいんだ、みんなのことを」

「…そっか。痛みが増したときは、無理しないでね」

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フィールドに立ったみんなを見渡すと、まだ少し困惑の色が見える。
やっぱり納得できてないよね、10人だし、不動くんとはまだ馴染めてないし…
円堂くんもまだベンチだし…
大丈夫かなぁ…