Episode.60【★★】 ページ27
夜ごはんに冬花ちゃんに起こされたときには、ずいぶん体調もよくなってた。
明日からちゃんと練習に参加できそうだ。
＊＊＊
「今日は泥のフィールドで練習してもらう」
「なぜですか！必殺技の練習をした方が良いに決まってます！」
納得いかないよね…完成してない技も多いもんね…
文句を言いつつも、みんな練習の準備を始めた。
「Aちゃん、体調はもう大丈夫なの？」
ヒロトくんが話しかけてきてくれた。
でも… 昨日のことを思い出したら、直視できない…
「う…うん。もう大丈夫」
「よかった。でも病み上がりなんだから、無理しないでね？今日も暑くなるみたいだし」
「うん… ヒロトくんも気を付けてね」
その日の洗濯物は、案の定地獄レベルで大変だった。
＊＊＊
翌日。車の中でわたしはドキドキしていた。なんたって決勝戦だ。
突然車が急に止まる。
なんだろうと思ったら、前でチンピラたちが立ち往生してる。
円堂くんたちが説得に向かったみたい。
「どうしてもボクたちを会場に行かせたくないみたいですね…」って目金くん。
でも、飛鷹くんの後輩？みたいな子達が来てくれて、足止めしてくれた。
それでなんとか間に合った。
＊＊＊
今日の相手は韓国のファイヤードラゴン。
あれは、相手には世宇子中のアフロディ？
国籍は韓国だったんだ。
それにあれはチェ・チャンスウ。
フィールドの龍を操るもの…
「決勝のフィールドには、龍がいますよ」
チェ・チャンスウがそう言った。龍がいる…？
それに、南雲晴矢と涼野風介…みんなびっくりしてるけど誰なんだろう？
秋ちゃんたちによると、エイリア学園の人だったんだって。
エイリア学園か、うちにはこなかったからよくわかんないや。
久遠監督は遠藤くんを試合に出さないつもりらしい。
監督はいつも完璧な采配をするけど、今回ばかりはわからない。
「ピーッ！」と試合開始のホイッスルが鳴った。
＊＊＊
豪炎寺くんのキックオフから
ボールを受け取った吹雪くんは一気に上がっていく。
「吹雪！右サイドだ！」
そう言って風丸くんがボールを受け取って走る。
うんうん、いい感じ。
そして風丸くんは大きくパス。
吹雪くんと豪炎寺くんの連携必殺技かな？
「おーっと！センタリングが大きく逸れました！」
そのボールはノーマークのヒロトくんに。
「流星ブレード！」
しかし、相手の大爆発張り手で防がれてしまう…
ヒロトくんが、すごく悔しそうな顔をしてる…
気を落とさないで…
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作者名：落葉このは | 作成日時：2019年7月10日 23時
