冬空の星3★ 【イナズマイレブン】 (ページ16)

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Episode.69【★☆】ページ16

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帰ってからお昼を食べて、ベッドに飛び込んだ。
自分のベッドはすごく安心する。

横向きになって、スマホを開く。
メッセージのお友達リストには、ヒロトくんの名前。
登録してからまだなにもしたことがないから、「New!」の印がついている。

「今送っても、飛行機じゃ見れないよね…」

そう呟いて、またスマホをベッドに投げ出す。
なんとなく気が抜けて、なにもする気になれない。
あっ… フライトお疲れさまってだけ、送信しておこうかな。

数分考えたあと、ヒロトくんの名前のところにあった「New!」の印は消えていた。

それからそのまま読書を始めた。
30ページ読んだくらいでスマホが振動し、通知ランプがチカチカと点滅した。
まさか、と思ってスマホを開くと公式アカウントからのお知らせ。
なんだ… ってがっかりしてスマホを閉じる。
ん…？がっかり…？

＊＊＊

どれくらい時間が経ったんだろう。
気がつけば日はもう西に傾いていた。
スマホの通知ランプが点滅していたのでわたしは急いで確認する。

「着いたよ。こっちも夏みたいな天気だ」

「そっか。無事についてよかった」

どうやら2時間前くらいに送信してくれてたみたい。
少なくとも、その時間分は寝てるなぁ…

「そっちは日本とどれくらい時間がずれてるの？」

「6時間くらいかな。まだこっちはお日さまが高いところにいるよ」

「日本と時間が違うって面白いね。なんか混乱しそう」

「オレたちも11時くらいに日本を発ってから、時間が進んでないみたいで驚いてるよ」

「なれるまで少しの我慢だね」

「うん」

気づいたけど、ヒロトくんはメッセージの既読を自分で終わらせないタイプみたい。
わたしも同じ、なんか申し訳なくて。
でもこのままだと終わらなさそうだったからここでストップ。
さて、夜ご飯の支度をしなくちゃね。

＊＊＊

わたしたちが夜ご飯を食べて、お風呂に入って、髪を乾かして…ってしてる間も、向こうはまだ明るいんだね。
いつもは10時過ぎまで起きてるけど、今日はなんだか起きてられそうになかった。
まだ9時過ぎ…まだ早いよ…？

ベッドでうとうとしていたら、スマホの通知音が鳴った。

「Aちゃんは、そろそろ寝る時間かな？」

もう文字を打つのすら危うい。
よくわかるな、ヒロトくんは…

「うん、、もうねむい、」

向こうはおやつの時間かぁ…

「いい夢見てね。おやすみ」

わたしはおやすみを返すこともできずそのまま寝落ちしてしまった。