冬空の星3☆ 【イナズマイレブン】 (ページ26)

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Episode.57【☆★】ページ26

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ネオジャパンと試合をしたことで、みんなパワーアップしていた。
それでも久遠監督は、いまのままでは決勝で勝つことはできないって言ってる。
緑川くんや風丸くんだって、新しい必殺技を習得したし、円堂くんだって正義の鉄拳を2段階もパワーアップさせていた。
それでも勝てないなんて…どんな強いチームなんだろう。

「決勝戦の相手って、どんだけ強いんだろう？」

「わからないけど、世界には強い選手がたくさんいるということだね、オレはすごく楽しみだよ」

ヒロトくんがそう言う。
そうだよね。世界の選手と戦えるなんてわくわくものだよね。

「そういえば緑川くん、ずいぶん進化したみたいだね」

「あぁ。あいつらしいプレーをしてくれるようになって本当によかったよ」

「じゃあ、オレは練習があるから」ってヒロトくんはフィールドに出ていった。
頑張って、ヒロトくん。

その日は午前練習で終わりで、午後はオフだった。
リカちゃんがなんか企んでるな…
聞き耳をたてると、冬花ちゃんと円堂くんをくっつけるみたいな話。
えぇ、怒られても知らないぞ～
わたしも片付けを終えて、部屋に戻ろうとしたら、緑川くんが声をかけてきた。

「A、ちょっといいか？」

「うん、いいよ」

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わたしの部屋に戻るところだったし、緑川くんには部屋まで来てもらった。

「あのさ、率直に言うけど」

何…？変な緊張感がする。

「ヒロトのこと、どう思ってるんだ？」

えっ、って声を出してしまった。
確かにどう思ってるんだろう、友達…？

「ヒロトから色々話は聞いてるんだ。ヒロトはAが吹雪を好きなのを知っても、Aのことを思い続けてるんだ…知ってるだろ？」

それは…わたしの返事のしかたが悪かったのかも…

「で、まだ吹雪を好きなのか？もしそうなら…」

もしそうなら…？

「ヒロトのこと、振り回さないでやってくれ。苦しい思いをするところなんて、オレは見たくないんだ」

ヒロトくん…わたしが変な返事をしたせいで…

「…ごめんね。でもわたしも正直、今の自分の気持ちがわかってないんだ」

「そうか… まぁ、オレからの頼みはそれだけだ。じゃあね」

「うん…」

緑川くんは部屋を出ていった。
わたし、とてもいけないことをしてるんだ。

そうだよね。吹雪くんが好きなはずなのに、ヒロトくんからの告白の返事を先延ばしにするなんて。
でも、ほんとのことを伝えて傷つくヒロトくんも見たくないよ…