妖もどきと女子高生【恋愛】 (ページ23)

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十九秒ページ23

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『ま‥‥待って！？』

思わず片手で刀を掴む

プツリ‥‥と嫌な音がして、指から血が落ちた

「‥‥余計な血で汚したくないんだよね。離してくれない？」

『離さないに決まってんだろ！？だって離したら貴方絶対に殺るじゃん！！」

「何を当たり前な事言ってるの？」

プツッ

いった！！

刀で斬るって‥‥想像以上に‥‥痛い！！

「指が無くなっても知らないから」

『命よりはっ‥‥大事っ！！』

ずくずくとした痛みに返答も悲鳴のような声色になる

白夜は口角をくっとあげ、嘲笑した

「そこまで生きたい訳？生に執着しすぎていっそ滑稽だよ
這いつくばって命乞いして、本当に惨めだよね」

『何が悪いの！？』

嘲笑うかのような声を私は大声でかきけした

『生きるために必死こいて、何が悪いの！？』

そう、吠えた

叫べば冷たい視線がふってくるし、血は流れるけど‥‥言わずにはいられない

『生きてれば繋げる。次がある。今回私が失敗してしまったのなら、その次にうち勝てばいい！でも、貴方の独断はいや。貴方の判断で、勝手に私の"次"を奪うな！！』

家から追い出された。親が消えた

学校にもいけなくなった。一人だった

それでもまだ図太く生きてる私を、笑いたいなら大声で笑え

でも私は、そんな奴らよりよっぽど多く経験をしょってる

貧乏だのなんだの、何も知らずに笑ってた奴らとは違う

そう‥‥違うんだよ

冷たさを知らない人間と、暖かさを知らない人間の価値観は、違う

だから私は‥‥まだ死ねない！！

痛みで悲鳴をあげる脳内を稼働させ必死で白夜を睨み付ける

白夜は無機質な赤の瞳で私を見ていたけれど、次の瞬間、フッと目を細めて

「言いたい事はそれだけ？」

シュッ＿＿

私の手から刀を抜いた

「俺、人間の言うことには興味ないんだよね」

白夜が私の頭上に刀を振りかぶる

サッと血の気がひいた

やばい、斬られる＿＿！

「じゃあね。人間」

ビュッ！！

風をきる音に目をギュッとつむった

‥‥‥

‥‥‥‥？

目を固く閉じ、覚悟していた痛みは一向に来ない

風の通りすぎる音と、誰かが息を飲んだ音がした

恐る恐る目を開ける

刀は、私の鼻先５㎝で止まっていた

それを止めたのは勿論白夜で、当の本人は刀を止めたまま、大きく目を見開いている

なに‥‥？

＿＿＿【. 】

「‥‥くだらない事、言わないでくれる？」

＿＿【くだらなくなど、ない】

「俺は嫌だよ」

＿＿【思い出せ。何が大切なのか】