十五秒*女子高生、退治 ページ18
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「先程近くの村にて、ここら一帯に病が流行っているとのこと。もしかしたら、何か妖が関わっているやもしれませぬ」
『じゃ、じゃあその妖怪を倒せば、帰れるのね?』
「左様で御座います!」
その言葉にほんのりと希望を見出だした私は、厨子王が膝まずいて差し出していた扇子を受け取った
‥‥やる。私は、帰る
帰って、現代に戻って‥‥
‥‥あれ?
現代に、戻って
そこからはどうすればいいんだっけ
『‥‥ねぇ、安寿』
「はい」
『あやかしを倒して現代に戻って‥‥そしたら、私は家に帰れるの?』
二人が顔を凍り付かせたのが分かった
『お願い。答えてほしいんだ』
そう懇願すると、厨子王が少しためらって、恐る恐る口を開く
「‥‥社は、時廻り様が不在になってから、ずっと結界に守られておりました。A様が入ってこられたということ。それはすなわち、社が貴方を主と容認したということです
‥‥時廻りとしての使命が終わるまで‥‥きっとA様は社から解放される事はありません」
ずっしりと重圧をかけられた気分だった
呼吸をすることがやけにゆっくりで、言葉をはっすることが怠くなる。軽い吐き気がする
冷や汗まででてくるこれは、私には不似合いの‥‥そう
___絶望という感情だ
どうして、なんでこんな大事に
‥‥そうだ、あの夕霧とかいうやたらムカつくイケメンのせいだ
あんな夢みたいな魔法、裏があるに決まってた
ぼーっとしてないで、さっさと時計を突き返せば良かったんだ
「‥‥気を落とさないで下さいませA様!
帰れる方法がない訳ではないのです!
この安寿、A様がお仕事を成就できますように、精一杯支えさせて頂きます!」
私よりひとまわり小さな手が添えられる
暖かな手だった
「ほら、厨子王も何か言え」
「え"っ‥‥そうですよ、A様!我ら地霊は、いつ何時も時廻り様の味方でございます! 」
慌てた様な厨子王の声に、私は思わずクスリと笑った
‥‥そうじゃん。らしくないよ私
いつでも好き勝手やりたい放題するのが、九条Aの筈でしょ
今は帰れなくても、方法を探せばいい
どうせ家に帰ったって誰もいないんだもの
『‥‥分かった。やってみるよ私!』
「その意気で御座いますA様!
‥‥まぁ、問題は」
「社にいるためには、白夜様を説得しなければいけないことなのですが‥‥」
『え"っ』
訂正
前途多難かもしれません‥‥‥
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ユキ(プロフ) - りんずさん» やった。頑張るじぇ! (2018年8月28日 23時) (レス) id: 42ecbbb834 (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - ザクロさん» 是非是非!そういってくれると嬉しい! (2018年8月28日 22時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ(プロフ) - 私も描いていい?イメ画。 (2018年8月28日 22時) (レス) id: cf0e41908a (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - ユキさん» 了解!いいよ!是非かいて下さい! (2018年8月28日 21時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 白夜さんと夢主を描きたみ…あとザクちゃんのボード足したんでそっちに移行を! (2018年8月28日 19時) (レス) id: 42ecbbb834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2018年8月25日 22時