妖もどきと女子高生【恋愛】 (ページ19)

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十六秒ページ19

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白夜様の事を話すと、A様は頭を抱えて悩み出されてしまった

その光景をほんのりと微笑ましく思っていると、不意に袖を引かれる

「‥‥なんだ、厨子王」

「おい安寿、さっきのアレ、なんなんだよ」

「アレって？」

首を傾げてみせると、厨子王ははぐらかされたと思ったのか、少し声を大きくした

「とぼけんなよ！さっきのA様に言った台詞、アレは嘘だろ！？」

‥‥こういう時、余計な所で鋭い厨子王を少し煩わしく思う

「お前があんなこと言うはずない。A様がお仕事を成就できるように協力だなんて、お前が言うはずない！」

「だったらなに？」

言い放つと、厨子王が言いよどむ

「厨子王。貴方の事は信頼してるけど、理解出来ないことも多いわ

A様が出ていかれたら、また社は主不在に。白夜様は苦労する生活に逆戻りよ」

「‥‥それは本心かよ。それだけか？」

「しつこい男は嫌われるぞ。厨子王」

「俺は地霊だ」

「ではA様に嫌われてしまえ」

言い捨てて背中を向ける

厨子王

お前にはわからないさ。絶対に

「‥‥A様

この安寿。命に代えてもお守りいたします」

＿＿＿
＿＿

‥‥まぁ、白夜のことは今悩んでも仕方ない

どうにかなるだろうという、ポジティブシンキングでいこうっと

一人で割りきっていると、安寿と、少し変な顔をした厨子王が走りよってきた

「A様、徐霊にむかいましょう」

『あっうん！ねぇ。この扇子でどう徐霊すればいいの？』

問い掛けると、二人は目をパチパチさせた

「‥‥扇子を構えて、綺麗になれー綺麗になれーと唱えて頂ければ‥‥」

『またそれ！？もっと具体的な方法はないの！？』

アバウトすぎるにも程があるって！！

「申し訳ありませんA様
実は、私達も良く存じ上げてないのです」

地霊失格で御座います‥‥

そういってしょんぼりする安寿をあわてて抱き締めた

この子はどう考えたって悪くないでしょ！

大丈夫、私ならなんとかなるって！

殺してもしななそうな図太さだし私

昼間だって、巻きもどれー巻きもどれーでなんと感動なったもんね！

なんとか自分を説得していると

＿＿ザワッ

『！！』

厨子王と安寿が肩を震わせる

「来ました！A様！」

ドォォォォォオン！！！

凄まじい地揺れ

崩しそうになるバランス

必死で立ちながら向けた視線の先には

【グゥ‥‥グァァア！】

十メートルはいくのではないかという、鬼がいた

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