あやかし少年少女物語第十部ー廻る因果篇ー〈イナGo〉 (ページ27)

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第二十二話 16 ページ27

この1年間で、色々なことを知った
結季を追っていた奴等のことも、その目的もーーー彼女に纏わり付いていた因果も
そしてーーーその因果が、まだ彼女に完全なる安らぎを許してくれないことも

あんな奴等の思い通りにしてたまるか

ーーーボクの手元にある、小さな温もり
出会った時の彼女よりも幼い……彼女と同じ美しい銀髪の少女、閉じた瞼の奥にはきっと、紅い瞳があるのだろう

ーーーせめてこの子を普通に生かせば、少しは結季も報われるはず

ボクの脚元を中心に、妖気を込める
この場所を中心に、簡単に解かれないように深く根を張るように、術を広げていく
この街で彼女が過ごしてきた日々を、封じ込めていく

これで結季を知る者はボクだけになる、あいつらですら手がかりを失う
この子が生きる舞台作りは、これで完了
後はーーーこの子自身に記憶と立場を作ってあげなきゃ、これから生きる上で不自然にならないように

手元の幼子の額に、自分の額をくっつける

そうだな……ボクと一緒に居たら普通じゃいられない、“パパ”の親戚に預けよう
親子にする必要は無い、両親は亡くなった事にしておけば色々都合が付けやすい
奴等に怪しまれにくいように、1年前から一緒に暮らしていることにしよう
年齢は……これくらいだと、4歳か5歳かな？
誕生日くらい彼女と同じで大丈夫か……よし、今日で5歳ってことで

妖人についてはどうしようか……今の段階じゃどれほど妖力を持っているか分からない
ひとまず、妖力を目覚めないように封印はしておこう……効果は怪しいけど
できればこの子には、普通の人間として生きて欲しい……奴等に求められないためにも、普通に過ごすためにも

そうだ……名前も決めなきゃ

どうしようかな……彼女と同じ名前にする訳にはいかないし
預ける親戚との繋がりも欲しいし、名字は“パパ”の旧姓を貰おう
下の名前はーーーうん、決めた