scene6 ページ8
オレを含め、ここに“入院”という名目で“収容”されている連中には一つの共通点がある
ー 人の枠から外れてしまった妖人であること ー
妖人として生まれたもの特有の状態に、妖力の暴走による自我の喪失がある
要因は人それぞれだが、大抵は暫くすれば妖力切れとか疲労とかで収まり、我に返る
”大抵は”、だが
時々いるそうだ……暴走したまま、自我無き化け物同然になり果てるものが
それが、オレ達である
ここは、そうなってしまったもの達の為の隔離病棟
よく分からないが様々な封印が施されていることで、妖力が抑制された上で１日五分しか使えない代わりに、オレ達はここでは人間のままでいられる
それに、隔離病棟と言ったって、イメージとかにある牢獄みたいで荒れた場所とかでもない
窓や外に通じる出入口が見当たらない以外は、寧ろ普通の病院より綺麗で洗練されているくらいだ
そして、そんな環境の中で治療されるのだ
再び外へ出られるように、人間として
ーーーそういう名目のここに、オレは身を委ねる気になれないのだ
いくら特殊な科だとはいえ、おかしい点が多すぎる
まず、病院でありながらそれらしいことといえば、毎日の検査と、抑制された妖力が体内で溜まって体調を崩した時(今日の井吹もそうだろう)に投じられる薬くらいだ
どのように治療されていくかすら、具体的に知らされていない
責任者は別に居るらしいが見たことがない、普段オレ達を見ているのは看護師の水川と研修医の市川のみ
しかも、２人はどう見ても同年代だ……あ、でも水川は「私は半妖であり、貴方達より長く生きています」って言ってたな、ならば益々おかしい
ーーー病院と言う名は、ただオレ達を安心させる都合の良い名だろう
治すつもりなんてないのだろう……ただ、オレ達が人間社会には異端過ぎて危険だから、隔絶したい勝手な都合だろう
オレ達は収容所の囚人でしかないのだろう
……あくまでオレの想像で確かめようもないが、ここの責任者がオレ達を治してここから出してくれる証明もない
寧ろ何故皆疑わないんだ？
そんな中に居たくない
そんな身勝手に自由を奪われるなんてごめんだ
恐らく、ここから出たら自我を失うのは本当だろう
それでも構わない、他人の都合につき合わされるくらいなら人間じゃなくったっていい
どうせそうなったところで、誰も気にしないのだから
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霧風あみり(プロフ) - お待たせしました、イナギャラ篇続篇作成しました (2014年6月26日 23時) (
レス) id: 0a00bb5fc5 (このIDを非表示/違反報告)
浪川香宮夜(プロフ) - イナギャラ編の続編ほしい！ (2014年4月28日 12時) (レス) id: f8e81a7376 (このIDを非表示/違反報告)
トッポギ - ○印された妖人って他にもいるのでしょうか？憎しみが暴走して勝手に抜け出して暴れるのもいいな…妄想です(笑)凄く面白かった！！(^q^) (2014年4月20日 10時) (レス) id: 2c377765ef (このIDを非表示/違反報告)
白サギ - もちろん本編も面白いけれど、また違う世の中の面が見れて世界観が広がりましたね^^今後箱庭はどんな状態になるのか…いつも通りだと思うけど…瞬木君…切ない！けど面白い！！ (2014年4月20日 10時) (レス) id: 2c377765ef (このIDを非表示/違反報告)
霧風あみり(プロフ) - ちびねこさん» お久しぶりー^ ^ 本篇も再開させたからよろしくねー (2014年2月28日 22時) (レス) id: 2f90f486e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧風あみり | 作者ホームページ：http://lyze.jp/amirinnu/
作成日時：2014年2月13日 22時
