【ジョジョの奇妙な冒険】妖祓いとスタンド使い《壱》

始まりの出会い ページ1

あぁ、またこれか。


《ヨコセ...タマシイヨコセ.....》


学校の帰り道。
私は今、名前も知らない女に追われている。
だがその女は他の人には見えていない。
いわゆる【妖】だとか【幽霊】だとか、そういう類いのものだろう。


私は小さい時から人には見えないものが見える。
はじめは小さい妖しか見えていなかったが、歳を重ねるにつれて色々なものが見えるようになった。
つまり、霊力が強まったというわけだ。

中学の何年生の頃だったか、知り合いの助けもあって大きな妖を退治した。
それ以来妖たちに狙われる日々が続いている。


そして今。
残念なことに護符を持っていない。
正確には持っていたのだが、まさか今日のうちに6回も襲撃にあうだなんて想定していなかった。


(神社にでも駆け込むか...。)



《アアアアア....ヨコセェ.....》


女の声に苛立ちが見られる。
後ろから吹く風が異様に冷たく気味が悪い。


《ニガサナイ....》


ヒュン、と風を切る音がした。
それと同時に腕に痛みが走った。
どうやら風で切られたようだ。

女が物凄い速さで迫ってきた。
不味い、本格的に不味い。


私は走った。

神社に行かなきゃ。
魂を喰われてしまう。

一心不乱に走った。



が、十字路で何かにぶつかってしまった。
どうやら固さ的に人のようだ。

しまった、はやく立たなきゃ。


「ちょっと、何ジョジョにぶつかってんのよ！」


え、ジョジョ...?

ばっと顔をあげると、高校生とは思えない貫禄のある顔が私を見下ろしていた。

やらかした、よりによってこの人に。


「って、何だAじゃない。」

「てっきりジョジョを狙う女かと思ったわ。」


そりゃアンタらだ。
と言いたくなる衝動を抑えて立ち上がる。

あ、立とうとして支えにした腕切られてたんだった。
痛い。


『痛...。』

「おい、大丈夫か。」


そう言って手を差し伸べて来たのは言わずもがなジョジョこと空条承太郎。
ちなみに一応同じクラス。


『大丈夫。ぶつかってごめんなさい。』

「別にいい。それよりその腕...。」

『えっと...元々。気にしないで。』


空気が段々と冷たくなっていく。
振り向かなくてもあの女が迫ってきているのがわかる。


『本当にごめんなさい。私もう行かなきゃ。』


空条君がなにか言いたそうだったが、言わせる前にもう一度謝って走りさる。
はやく神社に行かなきゃ。


私は走った。

──空条君にぶつかったことが運命だとは知らないまま。

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