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「…あ、そうだ名前は?」
『あ!えっと…まふって呼んで!』
(…あれ?)
いつの間にか僕はそんなことを口走っていた。
でもこの子には、僕の名前を呼んで欲しいな
なんて。
『…だめかな』
僕ってこんなキャラじゃないのになぁ…
「ううん、じゃあ…まふくんって呼ぶね。」
『う、うん!ありがとう!』
「んーー、じゃあ私の名前はAって呼んで?」
『うん………ぁえ!?』
そそそそんないきなり名前呼びとかまじですか……
「だって私はまふくんって呼ぶのに、自分は苗字だなんて不公平でしょ?」
『…うーん、そうだね。』
「ほら。だからAって呼んでね」
『う、うん…わかった……A。』
「…うんうん」
とびっきりの笑顔で頷いた君を見て
心臓が潰れるかと思った。
「……もうすぐでHR始まるね」
『あ!ほんとだ』
「じゃあ私、そろそろ席座ろっかな」
そう言ってAが自分の席に腰掛けた時
ガラガラガラッ
一斉にこの同じクラスであろう人達が入ってきた。
そういえば、さっきは緊張して頷いちゃったけど、AはもうすぐHRが始まるねって言ってたよな…
(HRが始まるまで、まだ20分近くあるのに。)
そんな疑問は、がやがやした皆の声でかき消された。
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作者名:銀我一等星 | 作成日時:2016年8月25日 11時