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がばっと体を起こして声がした方を見る。
すると
ドアの前で口を覆って立っている女の子がいた。
(さっきのくしゃみはあの子…?)
なんてそんなことを呑気に考えていた。
「…あの」
いつの間にか目の前で声が聞こえてきた。
『うわっ』
いつの間にか目の前に居る女の子に
僕はびっくりして少し椅子を引いてしまった。
「ご、ごめんなさい。」
『い、いやいや、大丈夫です。』
「……あの」
『は、はい!』
「ごめんなさい。特に用があった訳じゃないんだけど」
『…?』
「えっと、そこ。私の席だから」
そう指差した場所は僕が座ってる席の横だった。
「席替えまでお隣だね。」
『そう…みたいだね』
「よろしくね」
『ぼ、僕の方こそよろしくっ』
「うんっ。 ところで風、気持ちいいね」
寝ちゃいそう…そう呟いた彼女は風でなびく髪をおさえて窓の方を見ていた。
その時かな。人が苦手な僕が君に恋したのは。
微笑む彼女の横顔を見上げた僕は
(あぁ、好きだ。
僕の将来、きっとこの子が隣で笑ってる。)
ふいに、そう感じた。
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作者名:銀我一等星 | 作成日時:2016年8月25日 11時