推しの推しを辞めたいんですっ!!【青】 2

なんばー59 ページ10

『…ちょ…ころちゃん…!!どこまでっ…』

ころん「ん…あ、ごめんっ!!」


走っていたころちゃんは、ピタリと立ち止まる。私の方に振り返ると、少しだけ頬を赤くして笑った。


ころん「僕…Aちゃんに言いたいことがあるんよ。」

『言いたいこと…?』

ころん「うん…聞いてもらえるかな。」


『わかった』と言おうとしたとき、ころちゃんのポケットから何かが落ちた。


ころん「あぁっ!?……って…?」


大事そうにそれを拾い上げるころちゃんは、ふっと息をついた。そして、いきなり茂みに向かって大声を出す。


ころん「おい!!見えてんぞピンク!!」

さとみ「…ありゃ」

『あれ、さとみくん。』


なにこれ、なんでさとみくんがいんの?
てか、拾い方めちゃ可愛かったぁぁぁ……

カメラに納めておきたい。


さとみ「よ。A。」


目を腫らしたさとみくんが私に右手を上げた。
私も同じように右手を上げる。


『よ。…ね、泣いてた?』

私が尋ねると、困ったように頬をかくさとみくん。そんな姿を見て、ころちゃんが口を開く。


ころん「あれあれあれー?さとみくぅーん?」


いつもように煽りに入るころちゃんにさとみくんがチョップをする。

…あれはけっこう痛そう。


ころん「いった!!」

さとみ「…ころん、うるせぇ」

なんばー60→←なんばー58

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す