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家出でもしてやろうかしら。
銀時達なら多分、快く泊めてくれるだろう。
家出する準備を進めていると、何かを察したのかまた子が来た。
また子「Aさん!?そんな大荷物まとめてどこ行く気ッスか!」
また子の声が思ったより大きくて、万斉と武市も駆け付けてきた。
A「どこって、実家的な場所?」
両親どころか一族全員とうの昔に死んでるけど、代わりに私には万事屋と言う実家がある。
何度か鬼兵隊の皆は万事屋と衝突しているから、猛反対されるだろう。
A「色々思う所があってね〜、頭冷やしに行くよ。」
また子達が止めるのも聞かずに準備を進めた。
晋助「どこに行こうとしてんだァ?」
荷物を持って部屋を出ようとしたら晋助が丁度帰って来てしまった。
状況を察してか、また子達は部屋を出ていく。
A「実家みたいな場所。」
晋助なら万事屋だと伝わるだろう。
皆に口止めして吉原なんて行ってどう言うつもり!?なんて言えば、束縛を嫌う晋助に鬱陶しいと思われるかもしれない。
結婚までして家庭内ストーカーになり掛けてる晋助に限ってそんなことは無いと頭では分かっているけど、昔からのクセが抜けずに不安に思うことがたまに、否、そこそこある。
晋助「昼間に行ってきたんだろ。」
晋助がチラリと私が持ってる荷物を見た。
私が家出するつもりだと気付いたのか、少し焦っているように見える。
可愛いなぁ…あ、いや、そうじゃない。
A「晋助がやった事が気に食わないから、家出する。」
どれだ。
Aが俺のやった事が気に食わないから家出すると言ってるが、どれが気に食わなかったのか分からねぇ。
何をしても裏でコイツは可愛いと悶えていたから、油断した。
寝てる間に大量に痕をつけたことか、毎日後ろを付けてたことに嫌気がさしていたのか、今日も吉原で仕事を済ませたあと万事屋付近で見守っていたことか…。
…吉原に行ったことを周りに口止めしたことだ。
晋助「春雨との交渉に吉原行くって言えば、お前も着いてくるって聞かなかっただろ。」
ガキの頃の影響だろうが、Aは地球人と似た姿の天人、夜兎や辰羅と言った連中には余り示さないが、獣の姿に似ている天人には激しい嫌悪を抱いている。
A「なるほどね。」
俺の言わんとすることを納得したのか、Aは荷物を片付け始めた。
そうか、天人と手を組むことにしたんだったっけ。
春雨…前に神楽と新八を助ける為に銀時達と乗り込んだような…。
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作者名:土方朱璃 | 作成日時:2024年3月16日 11時