イケメン女性声優山田さん！ ぱーと2

これからやり直せるから ページ16

やめてくれたら。

こんな他人任せ。

考えが甘かった。

おじさんはドアが開いた瞬間、人混みをかき分けて走り出した。

大事にはしたくない、って言ったのに。

しょうがない。

『君、係員さんにこのこと話して待ってて。
すぐそっちに行くから。』

女の子に用件だけ伝えておじさんを追いかける。

『待て！』

昔から足は速い方だったからすぐに追いつけた。

『はあはあ。
おじさん。逃げちゃダメ。
ここだと目立つから一緒に行こう？
でもその前に少し芝居に付き合ってね。』

今、大声出しちゃったからみんながこっちを見てる。

これだと、怪しがられておじさん辛くなっちゃう。

辛くなると人は逃げたくなるからね。

『お父さん！ごめん！出口分かんなくなっちゃった！
ちょっと駅員さんに聞きに行こう？』

出来る限り自然に。

逃げないでもらうことが最優先。

駅員さんのところに行くまで、私はおじさんに話しかける。

『おじさん、初犯だよね？
逃げちゃったのも、怖かったから。
反省してないわけじゃない。
確かにやったことは悪いこと。
でもこれからやり直せるから。』

また、明日から頑張ってください→←さすがの私も怒るよ

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