第百五十一訓 私だけの本当のあなた ページ10
「どうやら、予定が狂ったのは宇宙だけではないらしい」
各地から湧き上がる光の柱。
だが、その柱[奔流]が放つ光は 当初のものより弱まりをみせるだけでなく、その柱の本数さえも減少している事が伺えた。
「龍脈が、鎮まり始めている」
虚の声が、静寂を破った。
「誰かが、龍脈の奔流を乱している」
「そんなマネができるのは、彼の者達をおいて他にいません」
虚の脳裏に過ぎる、一つの存在。
時に 眠った龍脈を呼び覚まし、その奔流を躍動させ
時に 荒ぶる龍脈をなだめ、その奔流を鎮めてきた
歴史の陰で 龍脈と戦い続け、この地に 均衡と平穏をもたらしてきた者達
「まだ、生きていたというのか。――――黄龍の巫女 そして、狛神」
地を這うような低い声。
紅い目に、鋭さが増した。
「古来より、龍穴を護り続けてきた一族。
そういえば、あなたも その一族の一人でしたね」
先ほどまでの重々しい口調はなりを潜め、穏やかな声色へと転じる。
そして、背後に控える 物言わぬ人形へと振り返った。
「美しい。よく似合っていますよ」
そこに佇んでいたのは、黒衣の巫女装束に身を包み、同じく黒の千早を羽織ったA。
だが、その表情に色はなく、紅の瞳は濁り、どこまでも虚ろだった。
冷たい表情のAに近づき、にっこりと微笑む。
滑らかな黒髪を一房すくい、口づけた。
「やっと、みれました」
虚の紅い目が緩やかに細まる。
その口元が不気味な三日月を描いた。
「光を失くした、あなたの顔を」
第百五十二訓 世界が滅ぶ直前まで戦うキャバ嬢→←第百五十訓 ここからはじめよう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 68人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
椿(プロフ) - カフンショウさん» ご質問ありがとうございます！今のヒロインちゃんは無表情で何も喋りません。ただ、虚様とは何百年も一緒にい続けたので、目を見ると何を考えてるかぐらいは解ります。なので(?)彼があんな事やこんな事、そんな事まで強要しても従順に従っちゃいます← (2018年8月29日 23時) (
レス) id: 29cb1b4279 (このIDを非表示/違反報告)
カフンショウ(プロフ) - こんにちは、いつも見てます。1つ質問です。主人公は今虚様のところにいますが、喋ったりしているのですか？あと、表情はどうなっているのですか！教えてください。先生！← (2018年8月29日 22時) (レス) id: ded7f4dd14 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミナト班 (´ω`＊)さん» ありがとうございます！虚様との共闘…頑張ります。。堕ちちゃいましたが、彼女なりに闇の中から抗いますので、どうぞお楽しみに！ (2018年8月11日 11時) (レス) id: f218e1e191 (このIDを非表示/違反報告)
ミナト班 (´ω`＊)(プロフ) - いつも、楽しく拝見させて頂いております。更新頑張ってください！主人公闇堕ち良いですね！！虚と主人公の初めての共同作業(?)楽しみにしてます！ (2018年8月11日 1時) (レス) id: c1de0d9e94 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ぱぴこさん» ありがとうございます！そう言って貰えると嬉しいです(o^^o) 細々と更新していきますので、覗きに来てやってください（笑） (2018年8月7日 11時) (レス) id: f218e1e191 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：椿 | 作成日時：2018年8月4日 10時
