第百六十九訓 疑念 ページ28
どういう事!?
一体なんでこんな事が‥‥
神子だけでなく、狛子まで小さくなってしまった事に戸惑いを隠せずにいると、裾を引っ張られた。
「‥‥百音?」
「姉上、あそこ‥」
零れ落ちそうなほど目を見開く百音。
その指差した方角に視線を移すと、百音と同様の表情[かお]をする事になった。
何故ならそこは、数刻前 私達がその奔流を鎮めたはずの箇所。
「どういう事!?あそこは さっき鎮めた筈じゃ‥」
だが現に そこには、淡い光を放つ柱が神々しくそびえ立っている。
「姉上、アレだけじゃありません‥‥あそこにも」
百音に促された方角を見ると、またしても龍脈の奔流を確認する事ができた。
鎮めた筈の場所から次々と復活する光の柱。
湧き上がる疑問。
「どうして!?いったい誰がこんな事を‥‥」
龍脈を制御できるのは、龍穴の門の鍵を持っている連中か、私達 龍を統べる一族以外に存在しない。
だけど 龍穴は幕軍[パパ達]が攻め入っている頃だろうし、これだけ多量にアルタナを放出しているなら、門への負荷は尋常じゃなく、奈落[連中]が門への精密制御を行える可能性は限りなく低い。
じゃあ、一体だれが‥
「‥‥貴女達やお婆様の風上にも置けない、半端者ですよ」
ハッと目を見開く。
いるじゃない、もう一人
古来より龍脈の奔流を躍動させ、そして鎮めてきたのは、龍を統べる一族――――黄龍の巫女。
そして、アルタナから生まれたというA。
だけど彼女はそれだけじゃない。
あの黄金の眼。
恐らくAも、私達の一族と何かしら縁[ゆかり]のある人物。
‥‥まさか、ね
考えたくもない最悪の展開が脳裏を過ぎる。
その刹那。
――――しゃらーん
死を誘う、烏の鳴き声が聞こえた。
「百音エェェェ!!」
容赦ない刃の雨が降り注ぐ。
致命傷を回避するものの、焼けるような痛みが傷口から広がる。
歯を噛み締め 苦痛の滲む顔で天を睨みつけると、案の定 廃屋の屋上には、無数の黒装束。
「走ってェェェェ!!」
腹の底から叫びを上げた。
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椿(プロフ) - カフンショウさん» ご質問ありがとうございます!今のヒロインちゃんは無表情で何も喋りません。ただ、虚様とは何百年も一緒にい続けたので、目を見ると何を考えてるかぐらいは解ります。なので(?)彼があんな事やこんな事、そんな事まで強要しても従順に従っちゃいます← (2018年8月29日 23時) (レス) id: 29cb1b4279 (このIDを非表示/違反報告)
カフンショウ(プロフ) - こんにちは、いつも見てます。1つ質問です。主人公は今虚様のところにいますが、喋ったりしているのですか?あと、表情はどうなっているのですか!教えてください。先生!← (2018年8月29日 22時) (レス) id: ded7f4dd14 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミナト班 (´ω`*)さん» ありがとうございます!虚様との共闘…頑張ります。。堕ちちゃいましたが、彼女なりに闇の中から抗いますので、どうぞお楽しみに! (2018年8月11日 11時) (レス) id: f218e1e191 (このIDを非表示/違反報告)
ミナト班 (´ω`*)(プロフ) - いつも、楽しく拝見させて頂いております。更新頑張ってください!主人公闇堕ち良いですね!!虚と主人公の初めての共同作業(?)楽しみにしてます! (2018年8月11日 1時) (レス) id: c1de0d9e94 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ぱぴこさん» ありがとうございます!そう言って貰えると嬉しいです(o^^o) 細々と更新していきますので、覗きに来てやってください(笑) (2018年8月7日 11時) (レス) id: f218e1e191 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2018年8月4日 10時