第百六十三訓 残酷さは美を孕む ページ22
「‥‥あのクソ女」
「!!‥‥‥待て、総悟!!」
Aを見据え、突進していく総悟を制すものの、既に時遅し。
リミッターの外れた 奴を止める事はできなかった。
手を伸ばした時には、鋼がぶつかり合う音が聞こえ、凄まじいスピードでAと剣を交えていた。
だが 総悟が持ち得る最大限の力を発揮しても、アイツの前では――――その圧倒的な存在の前では為す術もなかった。
流れるような剣捌きで、総悟の剣を悉く薙ぎ払う。
修羅のような強さを誇るA。
その中には、優雅さも兼ね備えていて。
ごくり、生唾を呑みこんだ。
「さて、終わりとは 美しく静謐であるべきです」
綺麗とさえ思っちまった
Aの剣に魅入っていると、ドォォンと一際大きな衝撃音が耳に入り、我に返る。
柄が腹に決まり、地に叩きつけられた総悟。
「総悟!!」
口から吐き出た血が、地面を真っ赤に彩った。
蹲った総悟は小刻みに震えるばかりで、動こうと――――いや、動けないんだろう。
それぐらい Aの一撃は重く、鋭い。
あの一撃が柄じゃなく刃だったら、と考えるだけで背筋が冷たくなる。
「オイ、総悟‥‥」
蹲る総悟の前に、A[死神]が現れた。
そして、黒い剣を頭上高くに振り上げる。
「やめ、ろ‥‥やめてくれ‥」
月明りに照らされた刀身が鈍い光を放つ。
総悟を見下ろす冷ややかな眼。
その紅は、虚[からっぽ]だった。
「‥頼む‥‥
やめてくれ‥
‥‥逃げろ、総悟‥
総悟ォォォォォ!!」
第百六十四訓 少年は吠える、天を求めて→←第百六十二訓 終焉の始まり
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椿(プロフ) - カフンショウさん» ご質問ありがとうございます!今のヒロインちゃんは無表情で何も喋りません。ただ、虚様とは何百年も一緒にい続けたので、目を見ると何を考えてるかぐらいは解ります。なので(?)彼があんな事やこんな事、そんな事まで強要しても従順に従っちゃいます← (2018年8月29日 23時) (レス) id: 29cb1b4279 (このIDを非表示/違反報告)
カフンショウ(プロフ) - こんにちは、いつも見てます。1つ質問です。主人公は今虚様のところにいますが、喋ったりしているのですか?あと、表情はどうなっているのですか!教えてください。先生!← (2018年8月29日 22時) (レス) id: ded7f4dd14 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ミナト班 (´ω`*)さん» ありがとうございます!虚様との共闘…頑張ります。。堕ちちゃいましたが、彼女なりに闇の中から抗いますので、どうぞお楽しみに! (2018年8月11日 11時) (レス) id: f218e1e191 (このIDを非表示/違反報告)
ミナト班 (´ω`*)(プロフ) - いつも、楽しく拝見させて頂いております。更新頑張ってください!主人公闇堕ち良いですね!!虚と主人公の初めての共同作業(?)楽しみにしてます! (2018年8月11日 1時) (レス) id: c1de0d9e94 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - ぱぴこさん» ありがとうございます!そう言って貰えると嬉しいです(o^^o) 細々と更新していきますので、覗きに来てやってください(笑) (2018年8月7日 11時) (レス) id: f218e1e191 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2018年8月4日 10時