第百十四訓:春夢記-童謡- ページ21
昔々あるところに、一人の女の子がいました。
女の子はすくすくと育ち、それはそれは美しい女性へと成長しました。
女は好いた男と結ばれ、子を授かり、絵に描いたような幸せな生活を営んでいました。
ところがある時、女の美貌を聞きつけた お殿様が 女を側室に迎え入れるため、差し出すように命じました。
お殿様の命令は絶対。
逆らえば命はありません。
女は悲しみにくれ、男は激昂しました。
そしてこの時、男に異変が起きました。
“最愛の妻が奪われてしまう”
負の感情に囚われた男の中に鬼が住み着いたのです。
鬼は男を蝕み、ついには お殿様を手にかけてしまいました。
その事実をしった女は悲しみ、そして驚愕しました。
なぜなら、男が殺したのはお殿様だけでなく、村人や女と男の家族さえ――――つまり、女に関わった者すべてを亡き者にしたからです。
女は思いました。
このままでは我が子の命が危ない、危機を感じとった女は子供をつれ、男の許を去りました。
しかし、女の身で しかも幼子を連れたまま、野を越え山を越え、男から逃げ切る事など、不可能といっても過言ではありません。
限界を悟った女は、立ち寄った集落で心優しい村人に我が子を託し、その姿を眩ませました。
一方、女を失い悲しみにくれた男は、心身ともに鬼と成り果ててしまいました。
心を失くし、人を殺す事でしか生きる意味を見いだせない哀しい鬼。
そんなある日、血にまみれた鬼の前に、一人の男が現れました。
男は言います。
「お前が父と母の仇か。成敗してくれる」と。
激闘の末、鬼は敗れ、そして、男は気づいてしまいました。
自らが退治した鬼こそ、実の父であったと。
鬼が成敗され、村人達は大喜び。
一方、真実をしってしまった男は ひとり その姿を眩ませました。
以降、その村は繁栄に包まれました とさ。
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椿(プロフ) - 朱寧さん» めちゃくちゃ嬉しいコメントありがとうございます(´;ω;`)この先シリアスが続きますが、どうぞ温かく見守ってやってください(ペコリ) まだまだ暑くなりますので、朱寧さんも熱中症等にお気を付けください! (2018年7月31日 0時) (レス) id: 29cb1b4279 (このIDを非表示/違反報告)
朱寧(プロフ) - 本当に面白いお話で、もう続きがすごく気になります!!何と言うか、少し切ないからこそ素敵なお話なんだなあ、と感じました。原作に寄り添っている感じがして、読んでいて幸せでした。長文失礼しました、お体気をつけて頑張って下さい! (2018年7月30日 23時) (レス) id: 28fe66ac14 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - まっちゃあいすさん» ありがとうございます!全力でガンバリマス(`・ω・´)ゞ (2018年7月17日 22時) (レス) id: 29cb1b4279 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃあいす(プロフ) - 続編おめでとうございます!これから先の展開にワクワクです。更新頑張ってください!!! (2018年7月17日 14時) (レス) id: c64bf4929c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2018年7月16日 21時