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一夜明け_______
「ハハッ、黒蜥蜴は随分とやられたな」
「面目ない…」
「いやっでも、今回のは偶々だって!な、銀!」
「!」コクコク
でも、向こうの方が上手で窓から投げられたのだとか。
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「広津さんは脱臼かなぁ…数日は固定ね」
「それに比べると銀と立原はまだマシだな」
一人一人を軽く診察し治療を施す。
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「すみません、比呂志さん…私の失態です」
深々と俺に頭を下げる樋口。
彼女は自分が犯した罪の重さを理解しているのだろう。
優秀な部下を持てて羨ましいな。
「まあ、見事な失敗だな…」
「っ…!」
「待って…!師匠っ傷に沁みる……!!!」
立原の傷口に消毒液を大量に掛けながら樋口に言う。
彼女は俺がこう言うのが意外だったのか驚きが隠せていない。
…別に怒ってねェんだが…
「でも、生きてりゃ失敗なんて何度も有るだろ。
それに良かれと思ってやった行動だろ?違うか?」
「それは勿論…!」
「なら大丈夫だよ。首領も龍も判ってくれる筈だからね」
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「まあ、最悪俺が何とかするから安心しな。
…はい、治療終わり!!」スパァン!
「痛ェッ!!!」
治療が終わった為、立原の背中を勢いよく叩く。
そうしたら、めっちゃ立原が怒ってる。
「ドウドウ………あれっ、落ち着かねェな」
「オレは、馬じゃねェ!!!!」
「それぐらい判ってるわ」
「師匠、おまっ、巫山戯んなよ!!」
荒れてんなぁ…。荒れてる原因俺だけど…。
「あ、樋口達お茶でも飲んでけよ。菓子作って置いてあるし」
「良いんですか…?」
「良いよ全然!何時も世話になってるしな」
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「え、師匠オレも良い?」
「現金なヤツだな、良いぞ…」
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作者名:楓 | 作成日時:2021年7月30日 17時