五十七話 ページ8
ＮＯ side
jra「冗談やったんに。外してくれるん？」
gr「あぁ、交渉する場合は対等でないとならないからな」
jra「思ってもいないこと言わん方がええよ」
光に目が慣れていないのか、目を薄く開いて笑う
gr「仲間になろう」
jra「私、安くないで」
真っ直ぐな瞳がジュリアに突き刺ささり、グルッペンが両手を伸ばした
ジュリアは心に言い聞かせる。嘘だ、いつも裏切られてきた、と
os「ジュリアの為やったら幾らでも出したるから、安心しぃ」
zm「そうや。待ってんで」
柔らかく微笑み、手を差し伸べる
ほっそりとした指と傷だらけの手が並んだ
sha「また遊び行こうや、先生！」
utu「ジュリアちゃんなら大歓迎やで。ただ、セコムは置いてきてな」
照らす笑顔と優しい顔が並ぶ
分厚い掌と白い手が伸びた
kn「まだなんも教えてへんやろ、新入り!!」
syp「先輩に教えて欲しい事があります」
眩しい笑顔と涼やかな笑みが向き、骨ばった2つの手が差し伸べられる
eml「ご紹介したい本があるんですよ」
snp「ジュリア先生が居ないと患者さんを捌ききれないよ」
ジュリアは目を見開くと、うっすらと笑う
jra「裏切ったのに？」
htr「斬りかかってごめんね。信じきれてなかった」
マスクの奥に隠れた顔が申し訳なさそうにするのが分かった
rbr「インカム作って待っててん。はよ、帰ろ」
小さめの彼が胸を張っている
jra「私、皆が丹精込めて作った国を愛せん。君達がいつか裏切るんやないかなって疑い続けるよ？」
1番疑い、反対したであろう人物が最後に口を開いた
tn「それでもええよ。全員、ジュリアが大切な仲間だって信じとるから」
gr「だから、仲間になろう」
ジュリアは言葉を失うように黙る
これ以上、断る理由が見つからないらしい
別れた際に濡れていた青紫は笑っていた
jra「はい」
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