五十八話 ページ9
gr side
行きたい場所があるとジュリアに言われて着いたのは国境の村だった
戦場だった時とは違い人が活気と笑顔に溢れている
子供に聞けば、軍に行ったジュリアの一家が村に莫大な資金を流しているという話
確かにジュリアは地位にしては質素な暮らしぶりで下町の人々にも好評だった
No.2ということを知った町人達はかなり驚いていたからな
必ず皆こう言う「あの腐った軍部にあんな人が…」
jra「ちょっと行ってくる」
外道丸やイフリートと戯れていたジュリアは森の奥に消えていった
zm「ジュリアは？」
gr「多分、墓参りだ。同じ顔をした同士を見たことがある」
zm「墓参りね〜。俺、行ったことないねん」
gr「お前は出生が特殊すぎるからな」
ゾムは何を思いついたのか幹部全員を集め始めた
zm「イフリート!!」
いきなり名前を呼んだかと思うとペットに続いて走り出した
syp「絶対怒られますって」
zm「バレたらな」
kn「バレないわけないやろ！」
大の大人が10人近くで草むらに隠れている
ぶつくさいいつつ、ショッピも気になるらしく留まっている
少しざわつく幹部もジュリアを見て静まった
木々の間から漏れる光に照らされたジュリアは舞っていた
やけにヒラヒラとした服を着ていたジュリアの姿は美しく透けて消えるようにも見えた
htr「神楽舞か」
gr「母国の踊りだったか？」
htr「ヤマトって人は宮司の家の出身かもね」
それ以降はコネシマに口を塞がれた為聞くことが出来なかった
彼女の舞台は真ん中に植えられた低木と石版を囲むように自然に生えたとは思えない色鮮やかな花が丸く咲いている
これが彼女なりの弔い方なのだろう
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