五十二話 ページ3
ＮＯ side
「その質問には答え兼ねるな。俺はハヤテに会いに来たんだ。ジュリアに言われてお前らの足止めも兼ねてるが」
kn「ジュリアが？」
「あぁ、お前達には知られたくないんだそうだ。分かったら諦めて帰れ」
追い払うように手を振る
gr「俺達がそんな事で諦めるとでも思うのか」
「諦めねぇだろうな。ジュリアもそれを知ってて俺に足止めを頼んだ」
そして息苦しいと言って顔の紙をずらした
zm「その顔、蜘蛛やな。そんな傷が深い記憶はないんやけど」
「俺はお前みたいな顔は見た事ねぇな、見てるとしても8年以上前か。覚えてねぇし、思い出す必要も無い」
eml「ジュリアさんは戻る気がないんやな。なんで相談してくれんかったんやろ」
エーミールの独り言の様な言葉にニヤリと笑った蜘蛛
顔と同じく傷だらけの手は何かを操る為に動いていて、止まったかと思うとハヤテの身体が自由になり、蜘蛛は小声で何かを伝えた
ハヤテ「やだ、置いてかないで!!もう独りにしないで」
ボロボロと大粒の涙が溢れて、蜘蛛の袖を引っ張る
蜘蛛はしゃがみこんでハヤテの頭を撫でて、困った様に笑う
「どうもその泣き顔はヤマトの最期を思い出す。泣かないでくれよ、俺は泣き止ませ方を知らない。ごめんな」
そう言って立ち上がると泣き止まないハヤテにどこからか取り出した白い日本刀を差し出した
htr「それは、名刀の
「東洋の方では有名なんだとヤマトが言っていた。これをお前に、ヤマトの遺品だ。ジュリアの事だからヤマトの流派は習ってるだろ」
蜘蛛はしっかりと雪華をハヤテに握らせると幹部達を見回し、頭を下げた
「こいつを頼む。俺達の最後の息子だ」
kn「そんなに大事なら自分で見守れや」
コネシマを見つめてからオスマンに視線をずらした
「オスマン、ジュリアの手を赤く染めたのは俺達だ。いつ死ぬかもわからない俺達があいつに残せたのは自分達の技術だけ。あいつを守るために教えこんだ。俺達のエゴであいつには辛い思いをさせた、すまない」
そう言い終わると窓から外に飛びだして行った
割れた窓の音がなり終わらないうちにハヤテは雪華で全員のワイヤーを切り落とした
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