五十話 ページ1
NOside
jra「未亡人…?何か勘違いしてるみたいやな。ハヤテは私の仲間の子で私が初めてとりあげた子」
ハヤテの髪に指を滑らせて撫でるジュリアは本物の母に見えた
tn「母親は?」
jra「元々体が弱くてハヤテを産んですぐに亡くなった。今は私が母親代わり。仲間の遺物はこの子よ」
tn「そうか」
jra「私の持てる全てをこの子に託した。それじゃ」
先程よりも多い足音が響く
大量の音はドアを蹴破るように開けるとグルッペン達など見えないかの様にジュリアに詰め寄った
「総統閣下補佐兼医療課主任クルデーレ!!貴様に反逆の罪がある。よって3日後に銃刑に処す」
何十という銃剣の中心にいるジュリアは変わらない笑みを浮かべていた
os「待てや。戦争は我々国の勝ちや、ジュリアの身柄は俺たちの権利のはずやな」
「総統閣下は降伏の意思を示していない。よってコイツの身柄は我々国のものでは無い」
os「生かしたのはそういう事か、なら」
tn「オスマン、流石にそれは許可出来んからな。個人的な意見すぎる」
後ろ手に持った刃物をトントンが握りしめる
os「邪魔せんといてくれ。俺はジュリアを守るって約束したんや。殺させる訳にはいかん」
オスマンの叫びを受けたジュリアは少し顔を歪ませた
jra「忘れて、貴方の守るものは私じゃなくて仲間と国民と国に変わったの。いつまでも一緒じゃない、別々の道を歩んできたのよ。私は自分の家族と仲間を守ろうとした。マンちゃんを忘れるくらいには」
後ろに手を回して拘束されて行くジュリア
突きつけられる銃剣
流れる鮮血と時たま痛みに歪められる顔
全て現実で信じ難い事のように感じた
jra「ハヤテ、愛してた。2度も喪わせてしまった育ての母を許して」
少し濡れた青紫は兵隊の銃剣で消えていった
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