Destiny… 【F.t】 (ページ18)

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味噌汁がもうそろそろ出来上がる頃、俺の隣に立つAは今日の生姜焼きの付け合わせのキャベツを千切りにしていた。その手捌きと切る音のリズムも良くていつも思う。

藤ヶ谷「良く切れるよね、俺怖くて無理」

A「そう？慣れだよ笑」

藤ヶ谷「だって指切りそうじゃん」

A「ちゃんと猫の手にすれば切りません～」

藤ヶ谷「でも、Aのを見てる分には好き」

A「どうして？」

藤ヶ谷「切る音のリズムが好き、一定じゃん」

A「皆んなこんなもんだよ」

藤ヶ谷「指切んないようね」

A「ん、ありがとう。たいちゃんもうお味噌汁の火止めていいよ。もうお肉も焼くだけだけだから、お味噌汁とご飯よそって並べといて」

藤ヶ谷「わかった」

Aの指示通り、火を止め食器棚からお茶碗と味噌汁の器を出しそれぞれを盛ってリビングのテーブルへと運ぶ。もう一度キッチンに戻って色違いの箸とグラスにお茶を注いで再びリビングへと持ってった。

A「良し、出来た！」

メインの生姜焼きも出来たようで、Aがお皿を持ってリビングに入ってきた。

藤ヶ谷「美味そっ」

A「食べよっか」

微笑みながら俺の向かいに座るA。二人で手を合わせて、

「いただきます！」

と、食べ始めた。