ヒーロー我妻 ページ12
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「 む、無一郎…?」
ドンッ!!
とうとう壁と無一郎に挟まれ、
無一郎の両腕は勢いよく壁に。
『 僕にしなよ 』
まだまだ歳下の子どもだと思っていた
霞柱様は、完全に一枚上手だった。
『 僕の方が 我妻より強いし、
Aを幸せにできるよ?』
「 ちょっと待ってよ無一郎… 」
私に答える隙も与えないかのように
今度は無一郎の顔が近付いてくる。
待って、これってまさか…
どうしよう…!
私、したことない…!
押し返そうにも さすがは柱、
まったくビクともしない。
そしてどうにも抵抗できないまま、
口と口が触れてしまう寸前…
『 ちょっと 待ったぁぁぁぁぁ!!!』
ものすごい足音と共に
汚い高温の声が キーン と聞こえてきた。
「 この感じ…善逸くん…?」
『 やめろぉぉぉぉぉ!!!』
無一郎に殴りかかるが
さらりと避けられ、顔面強打。出血。
「 善逸くん!」
『 チッ… あと少しだったのに 』
舌打ち!?怖っ!
裏の顔だ… これは怖いって言われるでしょ…
顔面の出血なんてお構い無しに
すぐに立つ善逸。
『 おい!お前!
お、お、俺の…俺のっ、Aちゃんに
くっ…口付けをぉぉぉぉ!!!』
『 まだしてないよ。
君のせいでしそこねた 』
『 しようとするな!!
俺だってしたことないんだぞ!』
…当たり前だよ。
『 やだ!Aちゃん何その顔!やめて!!』
ギャーギャー言う善逸に参ったのか
無一郎はまたため息をついた。
『 うるさいヤツは嫌いだよ。
また会いに来るね、A 』
「 うん… 」
そう言って頭を撫でて帰っていった。
大人になった無一郎に
ドキドキしてしまったけれど、
小さい頃の無一郎はもういないのか
そう思うと少し寂しくもなった。
『 Aちゃん 大丈夫!?
何にもされてない!?』
私の両肩を持って
ぐらんぐらん揺らす善逸くん。
「 さっ、されてないよ…
大丈夫だから 揺らさないで… 」
『 あ!ごめん!』
とは言え、善逸くんが来てくれて
助かったのは事実。
あのままだったら
初めてを無一郎に奪われるところだった。
「 来てくれてありがとう。助かったよ 」
『 ううん、あの…邪魔しちゃった…?』
「 へ?」
善逸くんのまさかの発言に
目が点になってしまった。
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mini(プロフ) - stereogirlさん» コメントありがとうございます(T_T)!更新頑張ります!! (2020年4月20日 21時) (レス) id: 91678dce2b (このIDを非表示/違反報告)
stereogirl(プロフ) - 強い女子と善逸くん、大好きな組み合わせです(笑)続き楽しみにしてます! (2020年4月20日 19時) (レス) id: ebd32c96af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年4月12日 20時