半夜兎の舞姫 3【沖田総悟】

ママに？ ページ8

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『 …で？どうしてこうなった 』


「 無い頭をひねりにひねって考えた結果です 」


『 デジャブだな、完全に 』






相談者として選んだ(仕方なく)のは
前にも総悟の件で相談した、銀さん。

今回の報酬はいちごパフェ3つ。






『 で、今回は何 』


「 いや〜…、それがですね… 」


『 んだよ、どうせ総一郎くん絡みだろ？』


「 実は…赤ちゃん、できちゃったかも… 」






私の一言に銀さんは石のように固まり、
持っていたスプーンをカランと落とした。






『 は……はぁぁぁぁぁぁ！？！？』


「 ちょ、銀さんうるさい！！」


『 え、嘘だろ！？なんの冗談！？
今日ってエイプリルフールだっけ！？』






当事者の私よりもはるかにテンパっている銀さん。

店中の視線を浴びてかなり恥ずかしい。






「 うるさいって……言ってんだろうがぁぁぁ！！」


『 ぐはぁっっ… 』






とりあえず、騒ぐ銀さんの頭を
机にめり込ませて黙らせる。






「 …嘘じゃないから真面目に相談してるんでしょ。

3週間ぐらい、女の子の日が来なくて
検査キットやってみたら陽性だったの 」






顔を上げた銀さんのおでこからは血が出ている。

まぁ、いつもの事だ。






『 それ、総一郎くんは？知ってんの？』


「 …まだ、誰にも言ってない 」






話さなきゃいけないって事はわかってるけど、
怖くて話せない。

なんて言われるのか。


もし " おろせ " なんて言われたら私…






『 大丈夫だよ 』






俯いた私の頭を、銀さんの大きな手が
クシャッと撫でた。






『 怖ぇかもしれねぇけど、
Aが思ってるような事は誰も言わねぇよ 』


「 銀さん… 」


『 総一郎くんにだけでも先に言っとけ。
何かあったら困るから 』


「 うん… 」


『 怖かったら俺も居てやるから 』


「 っ…うん、… 」






泣きたかった訳じゃないのに
銀さんの優しさに触れて、何故か涙が溢れてきてしまった。






「 ありがとうっ…銀さん… 」


『 ったくよ、俺ァ Aの兄貴じゃねぇんだぞ 』


「 じゃあ、おじさんで 」


『 テメェ！！』






もし本当にお腹に総悟との子がいるなら
私がしっかりしなきゃいけないもんね。

ママに、なるんだから。









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