半夜兎の舞姫 3【沖田総悟】

大きな代償 ページ28

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あの後、とっつぁんたちの船に
私たち真選組、見廻組、万事屋、桂率いる攘夷浪士たちが乗り込み

奈落の執拗な追跡をくぐり抜け、
黒縄島を脱出した。



うちのクソ兄貴の奪還にも成功。

その代償もまた、大きなものだった＿＿＿＿＿＿






私はひと足早く治療を終えて、
男だらけでむさ苦しい船内を出た。

そこにはただ1人、ぽつんと立ちすくむ信女の姿があった。






「 …あの人言ってたよ。

" 信女さんはぶっきらぼうですが、
素直で優しい、良い子です " って 」


『 っ… 』






知らないうちにメル友にされて、
何度かメールを寄越してきていた佐々木異三郎。


めんどくせ、と思って
返信なんてしたことなかったけど








最後のメールにだけは、
生きてるうちに返信してあげればよかったって後悔した。








＿＿＿＿＿＿《 信女さんを、頼みます 》








「 メール、最後くらい返してあげたら 」


『 ……もう返したわよ 』








そう言って、信女は携帯を投げ捨てた。








『 長官殿に、敬礼！！』








大将を亡くした信女の背中は
誰よりも強く、そして頼もしく見えた。








「 私も返信しとこう… 」


＿＿＿＿＿＿ 《 ふざけんな 》








今回私たちがやったことが、
正しいことだったかはわからない。



それでも、守りたいものを守った。



なんと言われようと、あのクソ兄貴と一緒に
真選組でいたかった。






＿＿＿＿＿＿ ただ、それだけだった。














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