半端者 ページ26
.
虚との戦闘が始まったものの、
私たち3人誰一人として歯が立たない。
『 貴女は不思議な気配をお持ちですね。
人間にも、夜兎にもなりきれない…
______ 半端者の気配だ 』
" 半端者 "
今まで突きつけられた事の無い言葉が
グッと心臓に刺さるのを感じた。
『 テメェッ… 』
総悟が虚に畳み掛けるも、
かすり傷1つ付けられない。
そして、______
「 総悟!後ろ!」
『 …っ!? 』
瞬時に背後に回られた総悟は、
吹き飛ばされ 崖から下へ落ちた。
聞こえたのは、ドスンという音と
総悟を呼ぶザキの叫び声。
「 総、悟…?」
______ 総悟は、生きてる………?
『 …申し訳ない。
貴女の一番大切な人を、" 殺して " しまいました 』
そう言い残し、虚は飛び降りた。
__________________
『『 っ…… 』』
崖の上から落ちてきた沖田は
気を失っているのか、それとも息絶えているのか…
目を開ける様子はない。
『 残念でしたね…私の羽は広く大きい。
鼠一匹、逃れられはしませんよ 』
沖田を崖から落とした張本人、虚は
軽々と沖田の側へ降り立った。
『 …沖田隊長ぉぉぉぉぉ!!!!!』
いつもはAと共に、ほぼ無敵だった沖田の変わり果てた姿に
新八も山崎も全く言葉が出てこなかった。
それ以前に、発することすら出来ない。
『 逆に、しつこい鼠もいるようですが… 』
虚がそう呟いた瞬間、
カキーンッと刀がぶつかる音が響いた。
『 さすが、半分野蛮な血が流れているだけありますね 』
「 総悟をっ……よくもっ… 」
『 " 鬼兎 " …。所詮、まだ子どもだ 』
ニッと笑うと、片手でAを吹き飛ばした。
新八が斬り掛かるも、それより早く
額に剣が刺さりかける。
『 新八くんっっ!!!』
額に剣先が触れ、血が飛び出した瞬間
その剣を誰かが弾いた。
「 総、悟… 」
『 テメェ置いて、死ねるわけねェだろィ 』
涙ぐむAに、沖田はニヤッと笑った。
『 まったく、こちらもしぶといですね… 』
虚は1人だけど、
こっちにはみんながいる。
「 半端者、舐めんじゃないよ 」
.
657人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サヤカ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!長い間お疲れ様でした。面白くて、沖田さんと夢主ちゃんの絡みが尊くて癒されて......素敵なお話をありがとうございました!! (2022年7月14日 22時) (レス) @page33 id: 560ee3c2e1 (このIDを非表示/違反報告)
Lime(プロフ) - お疲れ様でした!!!めっちゃ面白かったです!!!僕的には出来ればこれの続きを書いて欲しくて(((殴 (2022年7月10日 17時) (レス) @page33 id: 9dc1bcf53d (このIDを非表示/違反報告)
さよ - どうか更新お願いします、、、 (2022年7月3日 18時) (レス) @page30 id: a027da1c3b (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - ないたーーーーーー更新お願いします (2022年6月23日 20時) (レス) @page29 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 続きをお恵みくださいorz (2021年12月10日 14時) (レス) @page25 id: 4cfd4dba47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mini | 作成日時:2021年3月20日 13時