純白の姫 ページ20
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『 異三郎 』
『 …信女さん。そんな怖い顔をして、一体どうしたんですか 』
ある一室から外を眺める佐々木異三郎に
今井信女が声を掛ける。
『 …あの女を見廻組に引き入れるなんて、
どういうつもりなの 』
無表情ながらも、彼女が怒っていることは
ビンビンと伝わってくる。
『 もちろん、大きな戦力になると思ったからですよ 』
『 殺し屋は私一人で十分 』
『 まぁ、貴方は彼女にずいぶんと派手に
やられてますものねぇ 』
ニヤリと笑う異三郎に、
信女はグッと拳を握りしめる。
『 …噂をすれば、でしょうか 』
コツっ、コツっ…と歩く音が
2人の後ろで止まる。
『 白い隊服もよくお似合いですよ、Aさん 』
異三郎が声を掛けた先には、
真選組の黒い隊服ではなく
見廻組の白い隊服に身を包んだ 近藤Aがいた。
「 …何が目的なの 」
『 真選組は解体、貴方は居場所が無くなった 』
「 っ… 」
『 しかしそれを知れば黙っていない男が一人。
______ 春雨第七師団 団長、神威 』
ジリジリとAに近付く異三郎は、
心做しか楽しそうだ。
『 貴方ほど実力のある人間を
春雨になんて渡すのはもったいない。
そして、恐ろしい。
いずれは私達の脅威になり得ないですからね 』
「 …総悟がいるんだから、行くわけないでしょう 」
『 まぁ、それも考えの内でしたが 』
Aの前まで来た異三郎は、
グイッとAの目線に合わせて腰を折る。
『 取られる前に取った、ただそれだけの事です 』
「 ……私はアンタの言う事なんて聞かないから 」
『 本当、生意気な女ですね 』
真新しい純白の隊服を靡かせ、
Aは部屋を出て行った。
『 ______どうせ、彼らの為に動くのでしょうけど 』
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サヤカ(プロフ) - 完結おめでとうございます!!長い間お疲れ様でした。面白くて、沖田さんと夢主ちゃんの絡みが尊くて癒されて......素敵なお話をありがとうございました!! (2022年7月14日 22時) (レス) @page33 id: 560ee3c2e1 (このIDを非表示/違反報告)
Lime(プロフ) - お疲れ様でした!!!めっちゃ面白かったです!!!僕的には出来ればこれの続きを書いて欲しくて(((殴 (2022年7月10日 17時) (レス) @page33 id: 9dc1bcf53d (このIDを非表示/違反報告)
さよ - どうか更新お願いします、、、 (2022年7月3日 18時) (レス) @page30 id: a027da1c3b (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - ないたーーーーーー更新お願いします (2022年6月23日 20時) (レス) @page29 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 続きをお恵みくださいorz (2021年12月10日 14時) (レス) @page25 id: 4cfd4dba47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2021年3月20日 13時