曖昧な関係 ページ46
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「 おばちゃーん、みたらし1つちょうだい 」
『 あいよ、あれAちゃん 今日は1人かい?』
「 いや、数十秒前まで一緒だったけど見失った 」
" 数十秒前まで一緒だった " というのは
まぁ お馴染みの沖田総悟の事。
プラプラと見廻りをしていたら
いつの間にかいなくなっていた。いつもの事だ。
『 みたらしお待ち。
総悟ちゃんがいないから聞いちゃうけど、
アンタらもそろそろ結婚かい?長いでしょう?』
「 ゲホッ…ゴホッゴホッ…!」
おばちゃんの予想外の発言に
私は飲んでいたお茶が鼻に入った。
『 あら、図星かい?』
「 いや、そもそも私たち 付き合ってもないから 」
『 あれまぁ… 』
" 信じられない " とでも言うかのように驚く。
『 毎日一緒だから、わたしゃてっきり… 』
「 総悟は、ただの幼馴染だよ 」
" ただの幼馴染 "
自分で言っておきながら、
何故か少し傷付いてる私。なんなの。
すると急に、頭の上に
大きな暖かい手が乗った。
『 コイツには俺という
ハイスペックな彼氏がいるからな、ばあさん 』
顔を見なくてもわかった。
総悟よりも少し大きな手。
総悟よりも少し低めの声。
そして、総悟とは違う 甘い匂い。
「 …銀さんでしょ 」
そう言って見上げれば、ニヤリと笑う銀髪。
『 なに、総一郎くんにフラれたの?』
「 総悟ね。いい加減覚えなよ 」
『 まだ付き合ってねーんだ?』
「 うるさい 」
カウンターの私の隣に座ると、
頬杖をついてニヤニヤと私を見る銀さん。
『 もしかして、銀さんとのキスが最初で最後?今の所 』
何故かちょっと嬉しそうだ。
「 残念でした。最初も最後も今の所、銀さんじゃありません 」
『 えっ…もしかして総一郎くんと… 』
手を口に当てて驚く銀さん。
なんならキスしたのだって1回じゃない。
頭とか含めればわりとされてるし、
思わせぶりな態度は数え切れないほど。
その罠にまんまとかかっているのはこの私なんだけど。
『 ふーん…そこまでしてて付き合ってねーんだ 』
「 今日の銀さんウザイ 」
『 じゃあもうさ、俺にしたら?』
「 は…?」
驚いて銀さんの方に顔を向けると
もう銀さんの顔が目の前に。
やばい、そう思った時にはもう遅くて。
唇が触れそうになった瞬間、
誰かが私の体を引いた。
『 何してくれてるんですかィ、旦那 』
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迷い猫 - "里ゴリラ"のところ" 店長ォォになっていますヨ (2021年9月21日 18時) (レス) @page43 id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ - 初めまして!めちゃくちゃ内容大好きです!キュンキュンしちゃいました笑笑これからも応援してます!この小説にあえて良かったです! (2021年7月31日 22時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - 金平糖さん» ありがとうございます!!すごく嬉しいです(T_T)!更新頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2021年1月8日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 最高に面白かったです!夢主ちゃん編も、すごく楽しませてもらってます!お父さんがまさか生きてたなんて!?びっくりしましたけど、最高の展開です...!毎回、更新楽しみにしています!!どうかお体に気をつけて下さいね!次回も面白い更新待ってます! (2021年1月7日 0時) (レス) id: a3c6f82ac9 (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - マカロニさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!!そのお言葉だけで頑張れます!! (2020年11月17日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年11月3日 21時