笑顔の裏の心の闇 ページ31
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『 やっぱり和みますねぇ、あの二人見てると 』
『 そうだなぁ 』
屯所の庭で、真選組最強コンビが
キャッキャウフフとシャボン玉をしている昼下がり。
そんな二人を、俺と近藤さんで縁側から見守っている。
年齢に相応しいこんな姿(いや寧ろガキっぽい)を
見ていると、本当に剣士なのかすら疑ってしまう。
「 ザキーっ!!」
『 ふっ、可愛いなぁ 』
ニコニコとこちらへ手を振る姫に手を振り返せば、
2ヶ所からの痛い視線を感じる。
『 なんでお兄ちゃんじゃなくてザキなんだ… 』
『 ニヤニヤしてんじゃねぇよ地味野郎が… 』
いつも俺はそんな役どころ。
ほぼモブ扱い。
そんな俺にも一つ気になったことがある。
『 そういえば…Aちゃんの御家族って… 』
これだけ何年も一緒にいたのに
Aちゃんの御家族について俺は何も知らなかった。
『 そうか、ザキは知らなかったか!
Aの家族は、Aが4歳の頃に亡くなってる。
______ 殺されたんだよ 』
『 殺された…!?』
『 Aが烙陽に住んでいたあの頃はまだ
夜兎族と地球人が一緒になることは
あまり好ましいことではなかったみたいでな。
よく思わなかった奴らが反乱を起こして、襲われた。
最終的には家が燃やされたんだよ 』
ふと気になったAちゃんの過去は、
いつもの笑顔からは想像も出来ないほどに
壮絶なものだった。
『 Aの母上は美人な人でな、Aもよく似てるよ。
でも、髪と目の色は親父さん譲りだ 』
『 そうなんですね… 』
そんな辛い経験を小さい頃にしてたにも関わらず、
いつだって俺たちを救ってくれていた。
『 あんなに素直で甘えん坊なAだが、
心の底には色んなもん抱えてんだよ 』
『 本当は…辛い時だってあったんじゃ… 』
『 それを傍で支えてきたのが、俺でもトシでもない。
______ 総悟だ 』
お互いが特別な存在であるということは
二人を見ていればわかった。
歳が近いという事もあるかもしれないけど、
きっとそれだけじゃないはず。
『 本当にあの二人は、
お互いに無くてはならない存在なんでしょうね 』
『 あぁ、そうだな 』
二人を見ながらそう微笑む近藤さんは、
まさに父親のようだった。
だったら俺は、母親代わりになれるように
(たまにママって言われる)
頑張ろうと思いました。
あれ、作文?
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迷い猫 - "里ゴリラ"のところ" 店長ォォになっていますヨ (2021年9月21日 18時) (レス) @page43 id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ - 初めまして!めちゃくちゃ内容大好きです!キュンキュンしちゃいました笑笑これからも応援してます!この小説にあえて良かったです! (2021年7月31日 22時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - 金平糖さん» ありがとうございます!!すごく嬉しいです(T_T)!更新頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2021年1月8日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 最高に面白かったです!夢主ちゃん編も、すごく楽しませてもらってます!お父さんがまさか生きてたなんて!?びっくりしましたけど、最高の展開です...!毎回、更新楽しみにしています!!どうかお体に気をつけて下さいね!次回も面白い更新待ってます! (2021年1月7日 0時) (レス) id: a3c6f82ac9 (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - マカロニさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!!そのお言葉だけで頑張れます!! (2020年11月17日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年11月3日 21時