半夜兎の舞姫 2【沖田総悟】

魂を吸い取られた鬼 ページ18

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その後、刀鍛冶の鉄子に
トシの刀を見てもらったところ、
" 名刀 村麻紗 " だと言うことが判明。


しかし、母親に村麻紗で斬られた
引きこもりの息子の怨念が宿った妖刀でもあるらしい。






「 ヘタレたオタクって…まさに今のトシ… 」


『 コイツが正真正銘、本物の妖刀・村麻紗なら
もはやその男に本来の魂は残っていないかもしれない 』






じゃあ、もし本当にトシの魂が食い尽くされていたら
トシはもう…






『 もう、本来のそいつは戻ってくることは…
ないかもしれん…っ！』






その時、嗅ぎなれたタバコの煙の匂いが
私達を包んだ。






『 やれやれ、最後の一本吸いに来たら
目の前にいるのが、よりによってテメェらたァ…

俺も焼きが回ったもんだ 』


「 トシっ！！」






そのにいたのは、トッシーではなく
紛れもない土方十四郎だった。






『 まぁいい、コイツで最後だ。
藁だろうがなんだろうが縋ってやる 』


「 最後って…トシ… 」


『 いいかっ…テメェらに最初で最後の頼みがある。
A、お前もよく聞け 』






苦しそうなトシは、膝から崩れ落ちた。






「 トシっ… 」






慌てて駆け寄ると、ギュッと
力強く手を握られる。






『 っ……頼むっ…真選組を…
俺の…俺たちの真選組を…守って、くれ… 』


「 トシっ！！」






それだけ言うと、トシは意識を無くして倒れてしまった。


私の手を握っていた手は力をなくし、
私の手から滑り落ちそうになる。






『 …どうすんだ、A 』






滑り落ちていく手を離すまいと
もう一度しっかりと握り直す。






「 …真選組は、私が…私達が、
＿＿＿＿＿＿ 必ず守ってみせる 」






トシの事も、必ず元に戻すからね。






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なんだかんだ言って助けてくれる奴→←現実から目を背けたくなる事もある

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