変わってしまった真選組 ページ15
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『 遅いなぁ、トシの奴…
もうとっくに時間は過ぎている。
大事な会議だというのに…! 』
珍しく会議に遅れているトシ。
今まではそんなこと絶対に有り得なかった。
「 まさか… 」
さっきトシが帰る直前に総悟が何か言っていた。
「 いやまさかね… 」
さすがの総悟も今の状況で
変な事言ったりしないか。
そう一人で考え込んでいると、
伊藤さんが口を開いた。
『 近藤さん、いい機会だ。
僕はちょうど彼のことを議題に出すつもりでいた 』
立ち上がると、トシの局中法度違反が
どうのこうのと話し始めた。
『 これを野放しにしていては、隊士達に示しがつかない 』
『 先生!待ってくれ!
トシの事だ…何か並々ならぬ事情があって… 』
『 僕は今回の件の事だけを言っているのではない 』
真選組の象徴とも言えるトシだからこそ
厳しい処罰を与えるべきだと、伊藤さんは主張した。
『 近藤さん、ここは英断を!!』
『 待ってくれ!!トシは必ず… " ガシャガシャンッ "
突然、大きな音が近藤さんの言葉を遮った。
音がした方を見れば
襖は倒れ、砂埃が立っている。
「 マジか… 」
どうやら、私の嫌な予感は当たってしまったようだった。
『 …ちーっす!!焼きそばパン買ってきたっす!
______ 沖田先輩!!
すいまっせん!
ジャンプが無かったんで、マガジン……あっ… 』
隊士達はみんな、トシを冷ややかな目で見つめる。
近藤さんは今にも泣きそうだ。
その中で、総悟と伊藤さんだけは鼻で笑っていた。
「 …最低だよ 」
『 A…?』
私は立ち上がり、トシの元へ足を運ぶ。
『 どうしたんでィ、A……っ…!!』
パシンッという乾いた音が部屋に響く。
私が総悟の頬を平手打ちした音だ。
「 最低だよ。
こんなやり方でトシを蹴落とそうなんて…!! 」
『 …はっ…こりゃキツいな 』
こんなやり方…
いくらなんでも酷すぎる。
「 みんなだっておかしいと思わないの!?
今まであんなに厳しかったトシが急にこんな… 」
私がそう言うと、みんなバツが悪いのか俯いた。
『 じゃあ君は土方君の方に付くということでいいのかい?』
伊藤さんはニヤリと笑って言った。
「 トシを追い出すなら、私も一緒に出ていきます 」
こんな真選組、
私の好きな真選組じゃない。
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迷い猫 - "里ゴリラ"のところ" 店長ォォになっていますヨ (2021年9月21日 18時) (レス) @page43 id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ - 初めまして!めちゃくちゃ内容大好きです!キュンキュンしちゃいました笑笑これからも応援してます!この小説にあえて良かったです! (2021年7月31日 22時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - 金平糖さん» ありがとうございます!!すごく嬉しいです(T_T)!更新頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2021年1月8日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 最高に面白かったです!夢主ちゃん編も、すごく楽しませてもらってます!お父さんがまさか生きてたなんて!?びっくりしましたけど、最高の展開です...!毎回、更新楽しみにしています!!どうかお体に気をつけて下さいね!次回も面白い更新待ってます! (2021年1月7日 0時) (レス) id: a3c6f82ac9 (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - マカロニさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!!そのお言葉だけで頑張れます!! (2020年11月17日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年11月3日 21時