厄介な奴らの復活でィ ページ46
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「 あ〜あ、ヒマだなぁ… 」
天海屋との抗争から早二週間。
ミツ姉の件で少し落ち込み気味だった真選組も
活気を取り戻し、むさくるしさが戻ってきた。
総悟はと言うと、あの時以来
いつもの総悟に戻っていた。
『 腹の傷はどうでィ 』
「 あ、総悟。だいぶいいよ!
痕は残っちゃいそうだけどね… 」
総悟との見廻りを終えて自室でゴロゴロしてたら
いつもの事だけど、ノックもせず総悟が入ってきた。
『 テメェの身体は元々傷だらけだろ。雌豚ァ 』
「 はぁぁぁぁ!?やんのか………ん…?」
戦闘態勢に入ろうとした瞬間、
目の前に突き出された一枚の紙切れ。
そこには
" ドーラおばさんのクッキー カップル割 "
と書かれていた。
「 え、待ってこれ…めちゃくちゃ手に入れるの大変なやつ… 」
『 …たまたま貰った 』
そうそっぽを向いて言う総悟の表情はみえなかったけど、
耳は真っ赤だった。
きっと必死で手に入れてくれたんだね。
「 一緒に行ってくれるの?」
『 …仕方ねェから、行ってやる。
Aには色々助けられたしな 』
こっちへ向けた顔は、耳と同じで真っ赤だった。
「 やったぁ!!総悟ありがとう!!」
『 っ…!! バカ、やめろィ!!』
ごく稀に見る照れてる姿
根は優しいところ
やっぱり好きだと実感した。
「 ね!今から行こ!」
『 姫が言うなら仕方ねェや。ね、近藤さん 』
たまたま通りかかったお兄ちゃんに
有無を言わせない圧で問い掛ける総悟。
『 あ、いや〜……『 残念だが姫の言う事でも聞けねェなァ 』
気まずそうに苦笑いをするお兄ちゃんの後ろから
煙草を吸いながらトシが言う。
「 トシ!なんで!?」
『 チッ…死ね土方 』
『 死ねと言われようが、街の奴らを守るのが俺らの仕事だ 』
『 歌舞伎町で攘夷志士が暴れているらしい 』
お兄ちゃんの言葉に私達の目の色は一瞬で変わった。
『 雑魚かと思って十番隊を行かせたが、
バタバタとやられているらしい 』
『 一番隊、パパッとやってこい 』
『 現場の指揮はAに任せる。
先陣は総悟が切れ 』
久しぶりのこの感覚に、総悟と顔を見合せニヤリと笑う。
『 久しぶりにひと暴れしやすか、司令官 』
「 もちろん、隊長 」
『 厄介な奴らの復活だな!!』
真選組最強コンビの復活に、
局長も副長も優しく微笑んでいた。
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リノ(プロフ) - きゅんきゅんが止まらなくて心臓が潰れそうです。これからも楽しみにしています! (2020年10月23日 15時) (レス) id: fc408fc325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年10月19日 4時