半夜兎の舞姫【沖田総悟】 (ページ45)

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ずっとそばにいるページ45

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「ミツ姉、激辛せんべい買ってきたよ」

ミツ姉が好きだった激辛せんべいを
ミツ姉のお墓にそっと供える。

「ミツ姉、ごめんね…
私は結局ミツ姉のことちゃんと守れたかどうかわからない。

本当にごめん… 」

お墓に話しかけても何も返事がないことぐらいわかってる。

でも、話しておかなきゃいけないと思った。

「だから今度はちゃんと守れるように…
総悟のことは、私がちゃんと守るから。

ちゃんとご飯も食べさせるし、
お風呂も入らせる。

問題起こさないように私が見張ってるから。

ずっとっ…私が、総悟のそばにいるからっ… 」

ミツ姉に聞こえてるかなんてわからない。
でも、涙が溢れて止まらない。

「だからっ…だから『やっと見つけた』

「え… 」

『ったく…屯所にも万事屋にもいねェし
どこにいんのかと思ったら、こんなとこにいたのかィ。

一人で来やがって… 』

振り返れば、供える用の花束を持った総悟が立っていた。

「総悟… 」

隣に並んで花を供える総悟の目にはクマが出来ていた。

たった一人の肉親が死んでしまった。
私なんかより、総悟の方がずっとずっと辛いはず。

「 …ごめん総悟…私っ… 『姉上は、最期は笑ってた』

「えっ… 」

『ちゃんと、幸せだったって』

「っ… 」

私や、みんなの気持ちを見透かしたかのような一言。

ミツ姉はもしかしたら
全部わかってたのかもしれない。

それでいて、最期まで笑ってたなんて…

本当にミツ姉は、優しくて強い人だ。

『あと、』

体ごと私の方を向いた総悟。
私も同じように総悟と向き合う。

目が合うと、総悟は優しく笑った。

『 A、ありがとう＿＿＿＿＿＿って』

「っ……ミツ姉っ…… 」

私の方がいっぱいありがとうだよ、ミツ姉。

直接言えなくてごめんね。
本当に大好きだった。

私が泣き崩れそうになると、
総悟がぎゅっと力強く抱きしめた。

『お前ェは…Aだけは、どこにも行くなっ… 』

「総悟っ… 」

『頼むから……俺のそばにいてくれ… 』

総悟の背中に、私も腕を回してきつく抱きしめる。

「どこにも行かない…ずっと、ずっとそばにいるから… 」

震える総悟の背中は、
いつもよりもずっと小さく感じた。

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