なんのために戦うのか ページ41
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たくさんのコンテナや荷物が行き交う港。
その様子を上から見守る男が一人。
『 …天海屋 蔵場当馬だな。御用改めである 』
「 神妙にしてもらおうか 」
その男にトシと私は後ろから刀を向ける。
『 貴方方はいつぞやの… 』
『 武器密輸及び不逞浪士との取引の容疑でお前を逮捕する 』
「 神妙にお縄につきなさい 」
刀を向けられてるというのに、
ピクリとも反応しない蔵場。
それどころか、鼻で笑い出す。
『 友人の婚約者を躊躇いなく捕まえますか。
なかなか太い神経をお持ちのようで 』
「 …それはアンタもでしょ、クソ外道 」
『 犯罪に手ェ染めながら 真選組の縁者に手ェ出すとは
テメェも太ェ野郎じゃねぇか 』
トシがそう言った後、また蔵場が笑う。
カチャカチャと刀の音がして周りを見渡すと、
私達は既に敵に囲まれていた。
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『 トシとAが二人でェェェ!?
山崎ィ!!テメェなんで今まで黙ってた!!』
『 すっ…すいません!!
副長に固く口止めされていたんです!!
親類縁者に攘夷浪士と関係のある者がいると隊内に知れれば、
沖田隊長が真選組での立場を失うと!!』
『 っ!?』
なんで…!!なんでだ…
俺の事なんか、知ったこっちゃねぇんじゃなかったのか…!?
『 くっ…!!トシの野郎…!
端から自分一人でカタつけるつもりだったな…!
無茶な真似を…
Aは…Aなんでトシと…!!』
『 Aちゃんは、初めから気付いていたみたいです。
だから、守りたいって…
沖田隊長とミツバさんの幸せを 』
『 Aっ… 』
" 総悟 "
Aの笑う顔が走馬灯のように俺の頭を過ぎる。
『 っ……あのバカっ…!!』
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「 トシ!バズーカ貸して!」
『 おらよ!!
今日だけは破壊許可下ろしてやる!!』
「 ふっ…任せといてっ…!!」
ドカーンっと私の放ったバズーカの音。
バズーカの煙から飛び出て敵を斬りまくるトシ。
斬っても吹っ飛ばしても
次から次へと敵は溢れだしてくる。
「 これじゃあ埒が明かないっ… 」
その時、銃声がして振り向くとトシが倒れ込んだ。
「 トシっ!!!」
『 っ… 』
「 足を撃たれてる…マズいな… 」
隙を狙って斬りかかってきた奴らを
端から斬り倒し、トシを抱えてコンテナの影に逃げ込んだ。
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リノ(プロフ) - きゅんきゅんが止まらなくて心臓が潰れそうです。これからも楽しみにしています! (2020年10月23日 15時) (レス) id: fc408fc325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年10月19日 4時