女はカエルが大嫌い ページ5
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『 こんのやろー…
寝てる時まで人をおちょくった顔しやがって… 』
そうイラつくトシの目の前には
おかしなアイマスクをして居眠りをする総悟。
『 オイ!起きろゴルァ!
警備中に惰眠を貪るとはどういう了見だ 』
カチャリと総悟に刀を向ける。
『 …なんだよ母ちゃん、今日は日曜だぜ?
ったくおっちょこちょいなんだから… 』
『 今日は火曜だ!!
どさまぎでAもタオルケット掛けて
昼寝してんじゃねーよ!!!』
「 えー…あと1時間… 」
『 長ぇよ!!!』
総悟の真後ろにはタオルケットを掛け、
ゴロリと横になって一部始終を見ていた私。
『 テメェらっ…
こうしてる間に攘夷浪士が乗り込んできたらどうすんだ!
仕事舐めんなよオラ 』
トシは片手に総悟の胸ぐら、
もう片手に私の胸ぐらを掴んだ。
『 俺がいつ仕事舐めたってんです… 』
「 私がいつ仕事舐めたって言うのよ… 」
トシこそ私たちのことあーだこーだって
好き勝手言いやがって…
『 俺が舐めてんのは土方さんだけでさァ!!』
「 私が舐めてんのは飴ちゃんだけでさァ!!」
『 よぉし勝負だ!剣を抜けェェェェ!!』
トシがブチ切れたところで
3人へお兄ちゃんの拳骨が1発ずつ。
『 仕事中に何遊んでんだぃ!
お前らなにか!修学旅行気分か!
枕投げかコノヤロー!!』
そしてさらにそこへカエルの拳骨がお兄ちゃんへ1発。
『 お前が一番うるさいケロ!!
ただでさえ気が立ってると言うのに!!』
『 あ、すんません 』
『 ったく、役立たずの猿ケロ!』
そう言い捨て、クソ気持ち悪いガマガエルは
その場を立ち去った。
『 なんだィありゃ…
こっちは命懸けで身辺警護してやってるってーのに 』
「 だいたいなんであんなガマガエル、
警護しなきゃいけないわけ?まじキモ 」
『 お前らは寝てただろ 』
『 Aの言う通りでさァ。
幕府の高官だかなんだか知りゃあしませんが、
なんであんなガマ守らにゃいかんのですか 』
不服そうな私たちに対して、
お兄ちゃんが諭すように口を開いた。
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リノ(プロフ) - きゅんきゅんが止まらなくて心臓が潰れそうです。これからも楽しみにしています! (2020年10月23日 15時) (レス) id: fc408fc325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年10月19日 4時