テレパシーって信じたもん勝ち ページ19
.
「 今日も江戸は平和だね〜 」
『 … 』
神楽ちゃんと話した翌日、今はパトカーで総悟と見廻り中。
なんだけど…
私たち2人の話を盗み聞きしてた総悟が
あの後から何故か機嫌が悪い。
何を言っても、基本無視だし
顔すら合わせやしない。
「 あのさぁ、昨日から何怒ってんの?」
『 うるせェ、怒ってねェよ 』
「 怒ってんじゃん!
無視ばっかだし、私の顔すら見ないじゃん!」
『 本人が怒ってねェって言ってんだから
怒ってねェんでさァ!!』
狭い車内で2人して大きな声を出して喧嘩になる。
こんなことも珍しいことではない。
「 もうなんなの!?こんの…チンピラチワワ!!」
『 こっちのセリフでィ!!人の気も知らねーで…
このチンピラプードル!!』
私たちの間にバチバチと火花が散る中、
" ジジッ " と無線が鳴る。
《 おい、小型犬2匹。
港に春雨らしき船がいるらしい。至急向かえ 》
「 私は犬じゃねーよ。了解 」
《 到着までに喧嘩終わらしとけよォ 》
『 土方さん、死んでくだせェ 』
《 んだと、総悟テメ… " ガチャ "
トシがガヤガヤと言ってる途中で
総悟が無線を切る。
こんな時に春雨か…
そんな大物出迎える気分には
到底なれないんだけど。
『 この話は終ェだ 』
「 また後でする 」
『 しつけェ女だな、ホント 』
ごちょごちょ言ってるうちに
パトカーは港へ到着。
『 近藤さん 』
「 トシ!」
『 あぁ、来たかA、総悟!
やはり春雨の船でなぁ。
だが一向に出てくる様子がないんだ 』
確かにお兄ちゃんの言う通り、怖いくらいに静かだ。
『 のり込みますかィ?』
『 んなことしたら完全にこっちが不利だろ 』
『 じゃあどうすんでィ 』
策が無さすぎて、みんなで船を見て考え込んでいると
急に後ろから " A " と呼ばれ、
振り向こうとした瞬間 口を塞がれ抱きかかえられた。
慌てて斜め前にいた総悟を掴もうとしたけど
掠ってしまい気付かれない。
私を攫った奴は、ぴょんぴょんと
周りのコンテナを飛んでいく。
「 んーっ!!!」
『 手荒な真似してごめんネ 』
パッと口から手を離され、急いで顔を上げる。
「 えっ… 」
私を攫ったのは、つい昨日 会いたいと思っていた人だった。
『 会いたかったヨ、A 』
.
497人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リノ(プロフ) - きゅんきゅんが止まらなくて心臓が潰れそうです。これからも楽しみにしています! (2020年10月23日 15時) (レス) id: fc408fc325 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mini | 作成日時:2020年10月19日 4時