隠し事はいつかバレる ページ17
.
『 たのもーっ!!』
夏祭りから数日後、昼過ぎに
誰かが屯所の戸を叩いた。
聞き覚えのある可愛らしい高い声に
冷や汗を流す隊士が多数。
『 誰もいないアルかー?』
特徴的な喋り方なので
誰が来たかなんて容易に特定できる。
面倒事が起きるのは目に見えてるので
誰も戸を開けずにいること数分。
大きな破壊音とともに屯所の戸が飛んできた。
『『 うわァァァァァ!!!』』
『 なんてことしてくれてんだよテメェ!!』
『 居留守なんて通用しないネ。
ふざけんなヨ、税金泥棒 』
黒焦げアフロになった山崎をはじめとした隊士たち。
『 なっ…なんの用だよ…真選組に… 』
『 Aに会わせて欲しいアル 』
____________
「 …で、私に何用?」
私もたまたま屯所に帰ってきていたので
私の部屋へ通してもらった。
何用で来たかなんてだいたいわかってる。
気付かれてないと思ってるだろうけど、
障子の前には総悟がいる。
盗み聞きとは総悟らしい。
『 …神威のことアル 』
「 だと思った 」
『 やっぱり神威のこと、知ってるアルな 』
「 まぁね 」
食いしん坊の神楽ちゃんが
目の前のお茶菓子に手を出さないくらい
真剣に話をしに来てるという事がわかる。
『 栗色の髪に、紫色の目…
そして、半分夜兎族 半分地球人 』
「 …うん 」
『 神威から昔、聞いたアル。
ずっと一緒にいた、相棒の話…
______ " 鬼兎 " の話を 』
逸らすことなく、私の目を真っ直ぐ見つめる青い瞳。
彼と同じ、綺麗な宝石のような瞳だ。
『 単刀直入に聞くネ。
その相棒、鬼兎のもう片方は… Aアルナ 』
総悟にもまだこのことは
ちゃんと話してないんだけどな…
と思いながらも、もう隠すことは出来ない。
「 うん、そうだよ。
______ 神威は私の相棒だった 」
.
守りたいものは自分で守る→←壊れてしまうならこのまま触れずに
497人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リノ(プロフ) - きゅんきゅんが止まらなくて心臓が潰れそうです。これからも楽しみにしています! (2020年10月23日 15時) (レス) id: fc408fc325 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mini | 作成日時:2020年10月19日 4時