Episode176 ／ 天空闘技場 ページ29
｢…お前は｣
キルはじーっと私を見て品定めをする。
嫌だなーこの視線
｢ここだな｣
そう言ってキルが描いた場所はヒソカの上からその左の方まで横長だった。
どゆことこれ？
｢ヒソカと同レベかそれより強い、けど未知数すぎるって感じだな｣
『へー。キルは私の事そー思ってるのね』
｢…なんだよ｣
｢Aもキルアもやっぱりすごいなー｣
ゴンのその言葉は拗ねたキルの機嫌を治すのにばっちりだった。
照れたキル…貴重。
『ゴンもまだまだ強くなるよー』
正直怖いくらい伸びしろがあるもんね。
｢ゴン、A。金はあるか？｣
｢実はそろそろやばい｣
『私はけっこーあるよ』
旅団で仕事してるもんね
キルは一瞬目を細めて私を見た後、ゴンと話し始めた。
え。
私が話に入れてもらえないまま、どうやら天空闘技場に行くことが決まったらしい。
『やっとついたー』
長時間の飛行で訛った体を伸ばすと、ボキボキと音が鳴る。
周りから痛い視線が刺さるが気にしない。
しかし天空闘技場の参加者の列を見て私はげんなりした。
1、2時間経ってやっと受け付けにたどり着く。
｢格闘技歴10年って書いとけ、早めに上の階に行きたいからな｣
キルが私とゴンにそっと耳打ちする。
ねえ、私今10歳だよキルア
生まれた頃から格闘技やってることになるよ…。
まぁでも、言われた通りに10年と書いておいた。
中に入れば、試合の熱気で溢れていた。
1番最初に呼ばれたのはゴン。
なんと片手で押しただけでゴンの相手は吹っ飛んだ。
キルの助言もあってのことだけど、さすがゴンだなー
次にキル、キルは手刀で相手を1発で倒していく。
私はどうしようかなー。
｢2056番、1965番。Cのリングへ｣
放送が入って私が呼ばれる。
｢頑張ってね、A｣
『ありがと！行ってくるー』
観覧席の柵を乗り越えて、リングへ向かうと相手はまだきてなかった。
少し待っていると、
｢遅れて申し訳ないっす！｣
と、息を切らしながら小さい男の子がやって来た。
ゴンとキルと同じくらい…よりちょっと下くらいの男の子。
私と同じくらいの背丈だ。
『お願いします』
｢押忍！｣
お互いが挨拶を交わしたところで、審判の合図が出される。
少年はしっかり構えた。
なるほど、空手…かな？
基本私は殴ったりするより足技専門だから特に構えなんてないんだけど。
ちょっと悲しい
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年8月17日 22時
