目隠し少女と盗賊団 (ページ31)

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Episode130 ／蜘蛛との関係ページ31

続く沈黙。どちらともなくその沈黙を破ろうとした。

｢クラピカ｣『A…』

2人顔を見合わせて笑い、互いに譲り合う。

『先にいいよ』

｢…聞きたいことがあるんだ。…答えたくなかったら答えなくていい。｣

だから聞いてもいいか？とクラピカは言った。
あまりにも寂しげなその姿に、どんな質問が来るか予想がつくものの、頷いた。

けれども、いくら待ってもクラピカは何も話さなかった。

『…大丈夫だよ、私のことは気にしなくていいし』

そう言うと静かにクラピカは私に聞いた。

｢…蜘蛛を知っているか？｣

幻影旅団、ではなく蜘蛛と聞いた時点でクラピカは私が旅団と関わりがあることを知っている。

嘘は…通じないか

『うん、知ってるよ』

｢……ヤツらについて、何を知っている？あの男に聞いていただろう。…Aが蜘蛛に近しい存在であり、情報を知られていると困るからあの質問をしたのではないか、私はそう考えている。｣

ちらっとクラピカの方を見ると、その目は緋くなっていてどこか遠い目をしていた。

無意識に首元の刺青を隠すように手がいった。

隠れているはずなのに、バレてしまうのかと心臓がうるさい。

『…私、昔は自分の叔父と叔母にシゴトで暗殺とかさせられてたから。その時、一回だけ旅団の一人と殺りあったことがあるだけだよ』

嘘だけど。まだバレる訳には行かない。

｢…嘘だな｣

『なんでそう思うの』

｢目を見れば分かる。…シゴトに関しては本当だろうが、殺りあったというのは嘘だろう｣

『…凄いね。でも、残念だけど本当のことだよ。』

鋭い、鋭すぎて怖い。

｢Aが嘘をつくほど、旅団に近しい存在なんだと確信が深まる…最後に聞くが、蜘蛛とはどういう関係だ｣

クラピカの目はさっきよりも緋くなっていた。

そんな目に射抜かれて、私の心臓はギシギシと音を立てていく。

『…ははっ、“旅団に殺されかけて生きている暗殺者”って感じじゃない？』

そう言って立ち上がり、キルの横で丸まった。

その晩、クラピカとAが眠ることは無かった。