Episode129 /怖いんだ ページ30
「ごめんね」
はっ、と顔を上げて横を見るとゴンが私の横に座っていた。
円をしていない状態で、かなり気が抜けていた。
気づかなかった
『…なんでゴンが謝るの?』
「ずっと、声かけたかったんだ。でも…Aが遠くにいるような気がして、出来なかった。」
ほら、やっぱり。そう思うのは私だけじゃないんだ。
私はやっぱりゴンたちのそばにいてはいけない。
「違うんだ!…違うんだよA。オレは…あの時戦ってたAが違う人に見えた。まるで…オレたちの存在なんて知らないみたいに。怖かったんだ…」
『…気味悪いよね。コロコロ性格も人格も変わるし、目の色だって変わる。…ゴンがそう思うのは普通だよ、だから謝ら 「綺麗だよ!Aの瞳はすごく綺麗。だからそんなふうに言わないで」……変わってるね』
「よく言われる」
ゴンはそう言って笑った。それにつられて私も自然に笑みが漏れた。
「うん、やっぱりAは笑ってた方が可愛いよ!」
『…ゴンくんおだてても何も出ませんよー』
「えーそんなつもりじゃないよー?」
1時間ほど、ゴンと2人でひそひそと話していた時、
「私も…混ぜてくれないか」
『…クラピカ』 「もちろん!」
私の左隣にクラピカが座る。
『…起こしちゃった?』
まだ少し眠たそうなクラピカに少し微笑んで問う。
その目はもう緋くはなかった。
「いや、どちらかと言うとあそこでは寝れなくて、な。」
クラピカの目線を辿ると、お互いの顔面を蹴り合い、なかなかの鼾をかいて寝るレオリオとトンパの姿があった。
「確かに、あれは寝れないや」
3人で話して数十分。
うとうとしていたゴンがついに寝落ちた。
『…子供だなぁ…』
「Aの方が子供だろう…寝ないのか?」
クラピカの子供発言に少し怒ったせいで素っ気なく返事をする。
『…寝たくない』
「……そうか」
会話が途切れ、部屋にはレオリオとトンパの鼾だけが響いた。
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作者名:ろりお | 作成日時:2019年8月4日 10時