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第四話 / 目覚めと決着 ページ5





山や野原で野宿することが多かった私は、山賊や人買にはち合わすこともしばしば。



だから、戦闘経験は割とある方だと自負している。



恐らく、負傷している首が鬼の急所。
人を殺したことは無いけど、やるしかないんだ。



だってまだ死にたくないもんね




鬼が向けてくる葉を短剣で落としたり、避けたりしながら私は何度も鬼に切りかかる。



手負いの鬼のはずなのに、動きは俊敏で。



さっきの青年のように、草木が私の前に立ちはばかり、鋭利な刃物のようになった葉で身体中が切られた。




『…痛ったい…』



身体中から流れる血に、目前が薄暗くなった。



固く握りしめた短剣を思いっきり首に刺して右に動かす。


でも、それは無意味に終わる。




「バカヤロウ!!鬼は日輪刀か日光じゃないと殺せねえんだ!!しかも、そいつは下弦の壱なんだぞ!」



さっきの青年が私にそう叫ぶが、私はそれどころじゃなかった。


切り落としたはずの首から、手足、胴体が生えて鬼が二体になったのだ。


しかも一体は満身創痍だが、新しい方は殺る気満々の無傷。



『…ニチリントウってなに?どうやったら倒せるの!』



青年に聞けば、彼は彼が使っていた刀を私に投げた。



それは、真っ青な刀身をしたもの。



「それが日輪刀だ!首を切るんだ、二人一気に!」



長い刀を使ったことは無いんだけどなー…



両手でしっかりとかまえ、鬼の後ろへと回る。




体は二体でもきっと知能はひとつ。
動きが単調で、どことなく似ている。



なら、2人を重ねてやるのが賢いよね


一度深呼吸をしてから、目を閉じて感覚に身を任せた。


鋭利な葉が飛んでくる時は、必ずヒュッと音がする。
それを、耳でよく聞いて避けた。

身体が軽い…自分の身体じゃないみたいだ


まるで自分の意思ではないように身体が動いた。

大きく後ろに引いた手を捻りながら前へと勢いよく突き刺す。


『我流 茶の呼吸・壱ノ型 茶龍突(ちゃたつづき)


一瞬ふたつに割れた刀身が、再びひとつになり鬼の首へ突き刺さった。

まるで、龍が噛み付いたような、そんな傷跡が出来た。

「なんだよてめえ、鬼殺隊だったとかふざけんなよ!!」

「くそ、くそっ、お前を喰えば俺だって上弦に…っ…」

スーッと、鬼の身体が灰のようになって消えていく。



『…私はキサツタイじゃないよ』

よく分からない言葉ばかり言う鬼だった。

マレチとか、キサツタイとか。


それに…さっきの私の動きとか

第五話 / 盗っ人の生き方→←第三話 / 遭遇戦



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- 初めて読みました!更新頑張ってください! (2020年2月23日 21時) (レス) id: 2cb59a0a8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ろりお | 作成日時:2020年1月24日 7時

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