[鬼滅] 逃げるが勝ちと私が言う (ページ20)

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第十九話／鬼の始祖ページ20

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「お嬢さん、これを落としましたよ」

そう言って差し出されたのは、私が背中に隠していたはずの刀。日輪刀。

『…あ、ありがと』

この人、何かおかしい

変な目色だし(ブーメラン)

ここは路地裏。

それなりに全力で走ってきた私を追ってきたってことでしょ？

何より、私は刀を落としてない。

盗られたんだ……私がぶつかったあの一瞬で。

『…拾ってくれてありがと』

やばい人には関わらない方がいい

すぐに背を向け、呼吸に集中して地面を強く蹴る。

勢いよく飛んで屋根の上に移動した私に、男は舌打ちをした。

『何か用があるなら、こんな面倒臭いことしなくていいじゃん』

男は後ろを向いた私を攻撃した。

速すぎてほんの一瞬しか見えなかったが、鋭く尖った爪で私の首を狙ってきた。

「お前は鬼殺隊か」

急に口調を変えてきた男

こっちが本性ってわけね

『いや？まだ(. . )違うけど』

「ならいい。お前を鬼にする」

『…決定事項じゃんもうそれ』

｢私は鬼の始祖であり限りなく完璧に近い存在。私に仕えれば私の血をふんだんに与えてやる。｣

『いや、そういうの興味ないんで…』

鬼のシソってなに？

私まともに育ってないからそういうのよく分からないんだよな……

でも血を与える、とかなんか怖いわ

｢何が不満だ｣

『強いていえばこの状況？』

｢産屋敷に渡すくらいならここで殺してもいいんだがな｣

『産屋敷ってだれーわからーん(棒)』

こんなふざけた態度を取ってるけど実は内心めっちゃびびってる。

肌にあたる殺気が凄い。

鳥肌が凄いんだよ…本能で分かる。

この人、やばい

｢選べ。鬼になるか、ここで死ぬか｣

『…どっちにしても私には不都合。なら逃げるしかないわ！』

これまでにないくらい、私は全速力でその場を離れた。