第十二話 / 波乱の予感 ページ13
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本部を出た10名は蝶屋敷に集まっていた。
「その女の名は陽に月と書いて
「…変わった見目をしているのね!(きっと可愛いんだわ!)」
その場にいた誰もが、否、伊黒以外が「お前(あなた)が言うな」と思ったことだろう。
「派手なヤツは嫌いじゃねえ!」
「……どうやって探す」
冨岡が珍しく口を開く。
「鴉は戻ってきやがったんだろォ」
「よもや!水ノ瀬が少女と遭遇した場所から探すべきではないか!!」
柱の目が志戯へと向く
志戯は地図の、東京府内を指さした。
「ここから二日くらいで行けるところだね」
「この辺りは胡蝶めの担当区域だろう、何か見ていないのか」
時透に続き伊黒が言う。
先程からこの家の家主、胡蝶は何も話していなかった。
「私は……道端で倒れていた、日輪刀を持っているのに隊服を着ていない、変わった色の眼と髪をした女の子くらいしか見てないですね」
「「見てんじゃねえか」」
宇髄と不死川の声が見事にハモった。
「胡蝶様、そのものはどこへ?」
「…その付近の藤屋敷に運びました。二日は絶対安静を言い渡しましたが……もうどこかへ行ってるでしょうね」
胡蝶が言い渡した二日はとっくに経っている。
彼らは知らないが、胡蝶が任務をこなしている間にAは藤屋敷を出た。
要するに、彼女が大人しく安静にしていたのは起きる前の時間と、藤屋敷の主人に話を聞いていた時だけである。
だいたい以下の感じだ。
志戯とAが別れたのが九日の夜中
Aが走り続けで倒れ、胡蝶に助けられたのが十日
Aが起きたのが同日
そしてその数時間後にはもうAは、藤屋敷を出ている。
「今日そっちの方で任務がある方は?」
胡蝶の質問に、それぞれ自分の鴉に確認したりし始める。
結果手を挙げたのは冨岡だけだった。
「では、冨岡さんとあと誰か行ってくれる方はいませんか?」
私は真反対で任務があって、と付け足してからそう問う胡蝶。
みんなが顔を見合わせる中、
「私が行くわ!」
と甘露寺が名乗り出、それに続いて伊黒も手を挙げた。
なかなか珍しい組み合わせだと誰もが思った。
何か、一波乱来そうな予感。
その日はそれで解散になった。
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蓮 - 初めて読みました!更新頑張ってください! (2020年2月23日 21時) (レス) id: 2cb59a0a8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろりお | 作成日時:2020年1月24日 7時